第42話 おじさん、明かされたくない過去を明かされる。
*ここからしばらく、おじさん目線です。
「ヤツらは木が邪魔になるから棍棒を横凪には払えない! 振り下ろしの攻撃だけに集中すれば、簡単にさけられる!」
「わかった!!」
2匹のサイクロプス型の脇腹がしなる。なるほど、どうやらサイクロプス型は、それぞれの標的を、ロカと俺に分けたようだ。
俺は、左利きのサイクロプス型の攻撃をかわすと、
「よっと!!」
ロカも充分に余力を残して攻撃を回避する。
「ロカ、1匹お前にまかせてもいいか?」
「うん! まかせて!! おじさん!!」
頼もしい言葉だ。ロカはもう充分に一人前だ。俺の役目もそろそろ終わりかもしれない。
半ば強制的にやることになったロカの撮影ADだが、正直なところロクに役に立てていない。視聴者も、俺みたいなおじさんが見切れている配信動画を見ても楽しくないだろう。
ロカは、
ズシーン!
とりあえず、まずはコイツを倒してからだな。
俺はサイクロプス型の攻撃を避けると、左手のそでをまくる。そしてズボンのポケットから右手で白いシェールストーンを取り出すとそのままパキリと割った。
「ハードニング!」
シェールストーンから溢れ出た白いマナが俺の義手に吸い込まれ、鈍色に「ギラリ」と光る。
とりあえず、義手で殴って片足を破壊するか。それから……
俺がサイクロプス型の倒し方を算段している時だった。
「アップドラフト!」
その女性は、レイピア型の武器を振って緑色の竜巻を繰り出すと、いっさいのちゅうちょなく竜巻に入る。
金髪ショートにシャンパンゴールドのジャージ姿。
「ぐぉおおおおおおお!」
サイクロプス型の断末魔が聞こえ、大量のシェールストーンが降り注いできた。
すごいな、瞬殺か。
どういうことだ??
俺は、
「え? え!? えええ!!?」
「むふふ、よいではないか。よいではないか……」
ロカのスカートに手を突っ込んでいる
どういうことだ???
俺がなんともインモラルな光景をながめていると、突然、氷のつぶてが飛んできてロカと
カメラを破壊したのは、グレーのストライプのスーツをまとった女性だ。銀の細フレームの眼鏡をかけ、長い黒髪をひっつめにしている。
女性はまっすぐロカの方に歩いていくと、流れるように名刺を出して流れるように小切手をロカに差し出している。
おしりを
「え? え!? えええ!!?」
と、しか言っていない。
ロカが慌てふためく中、女性は俺のことを見た。
女性はロカに小切手を押し付けるように手渡すと、俺に向かってスタスタと近寄ってきて、銀の細フレームの眼鏡に手をかけながら話しかけてきた。
「久しぶり、
「ササメと離婚してもう10年以上たつんだ。君に
女性の名前は
別れた妻の、歳の離れた妹だ。
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