三傑と三途の川

意識の遠のく中、大久保は懐かしい声を聞いていた。

「正助どん」

大久保が目を開けると、そこには西郷がいた。

「吉之助さあ?」大久保は驚いた。そして、これがいわゆる走馬灯かと認識した。だが、どうやら違うらしい。

「ここは、あの世じゃ」西郷が言った。

「あの世,,,?」大久保は戸惑った。だが西郷が嘘をつくはずはない。大久保は一切を理解した。

「そうか、わしは死んだのか。わしは、この国をよくしたかった。じゃっとん、吉之助さあを死なせ、不満を持った奴に殺される始末じゃ。情けないな」そう、大久保はつぶやいた。西郷はそんな大久保の肩をそっと抱いて言った。

「正助どんはよくやった。おいも悪かったの」

「吉之助さあにそう言ってもらえるなら、こんな死に方でもよかった」そう、冗談を言う大久保のもとに別の声が届いた。

「何を言ってる。早すぎだ」大久保が振り返ると、そこには木戸が立っていた。

「せっかく、西郷さんと二人で過ごせると思っていたのに、こんなに早く来やがって」木戸はそう憎まれ口をたたいた。だが表情はいたって柔らかかった。

「まあ、あんたと久しぶりに会えたんは俺もうれしいがな」そう、付け加える木戸に

「木戸さんは憎まれ口をたたいてからじゃなきゃ本心を言えんようじゃの」と西郷がからかった。

「大久保ほどじゃない。あいつのほうがよっぽど不器用だ」そう言い返す木戸に

「そんなことはないわ」と大久保がまた反応する。

三人が生きた時代から、今ではもう百年以上たった。それでも、三傑の三角関係は今もどこかで続いているのかもしれない。

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三傑の三角関係‼︎! @anomaron

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