永遠の別れ

「大久保!!!!」木戸が大久保の部屋に怒鳴り込んできた。それを聞きながら、大久保は懐かしさとともに面倒くささを感じていた。

「お前は何度怒鳴り込んでくれば気が済むんじゃ。もっと静かに入ってこれんのか?」そんな大久保の抗議など木戸の耳には入らない。

「そんなことはどうでもいい。あんたこそ何回俺が話し合えと言えば気が済むんだ。また独断で西郷の私学校の武器を奪ったらしいな」

「ああ」大久保は受け流すように肯定した。そんな大久保の態度に木戸はさらに腹がっ立ったらしい。より一段と大きな声で叫んだ。

「あんた、それがどういうことか分かってるのか?西郷を死なせたいのか?」そう怒鳴られた大久保は、さすがに反論した。

「死なせたいわけなかろう!!!じゃっとん、これ以外に方法はない」

「いや、あんたは間違っている。このままじゃ私学校の輩は絶対戦を起こそうとする。今に西郷を大将に立てようとするだろう」そう木戸が言い終わるか否か、外から部下が入ってきた。

「ご報告します!!西郷さんが、西郷さんが,,,」部下の目は極度におびえていた。それでも木戸にどやされ、続きを告げた。

「反乱を起こしました」大久保は沈黙した。木戸もすぐには怒鳴らなかった。そしてしばらくの静寂の後に木戸が静かに言った。

「止めてくる。俺が西郷を説得してくる」それを聞いた大久保は反射的に止めた。

「そんなことをしたら、お前まで死ぬかもしれないぞ!」木戸は一瞬驚いた顔をした。だがすぐに厳しい顔になって叫んだ。

「このままでいいわけなかろう!お前になんと言われようとも、俺は西郷を止めに行く」そう言って木戸は部屋を出て行った。しかしすぐ直後に外で大きな音がした。大久保が驚いて戸を開けるとそこには木戸が倒れていた。

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