改元と改名
1868年、明治政府が樹立した。明治政府には大久保、桂、西郷、岩倉といった討幕にかかわった者たちが名を連ねた。そして、桂小五郎も木戸孝允を名乗るようになっていた。それに伴い大久保も桂のことを「木戸」と呼ぶようになっていたが、前にもまして二人は話すようになっていた。
「木戸、西郷さんが無血開城したち聞いたか?」大久保が興奮して木戸のもとへ駆け寄った。「ああ」木戸も短く肯定して
「西郷と勝さんはすごいことを成し遂げたな」と感心していた。
1868年、王政復古のクーデターが行われた後、西郷の予想通り不満を持つ旧幕臣が出てきた。そして起こったのが戊辰戦争である。新政府軍は最新の武器を駆使し旧幕府軍に対して勝利を重ねていった。そして戦いの舞台が江戸にまで移ろうとしていた時、新政府軍の西郷と旧幕府側の勝海舟の間で江戸城無血開城が結ばれたのである。「吉之助さあはやっぱり立派じゃ。自分のほうが有利な状況にあっても周りん人のことも考えて行動できる。吉之助さあは戦も強いがちゃんと腰を据えて話もしてくれる。さすがじゃさすがじゃ」そう、西郷を誉めまくっていた大久保に対し、木戸は
「あんたは西郷のことになると方言が出るな」とからかいつつ
「相手の要求を受け入れた西郷さんも立派だが、西郷を説得した勝さんもやはりすごい」とバランスよくほめていた。
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