さらば慶喜
「たしか、あんさんは大久保さんでおますな?この間は大丈夫でしたか?」桂とともに来た大久保に、岩倉は尋ねた。
「ええ、先日は失礼しました。今日は、突然ご一緒させてもらいすみません」そう、大久保が告げると
「いえいえ、お話は桂さんからうかがってましたさかい。西郷さんはもう来とりはります。さあさあ奥に」と岩倉が促した。
「正助どん?!」桂とともに大久保が部屋に入った時、先にいた西郷は驚いた。
「桂さんから今回の話を聞いて、わしも加えてくださいと頼んで、連れてきてもらいました」そう告げる大久保に桂も
「岩倉さんに話は通してあるから心配するな。西郷さんも大久保がいたほうが心強いだろ?」と付け加えた。
「さあ、早速本題に入りまひょか?」隙を見て岩倉が話を切り出した。
「この前、天使様から書状をもらうと約束したさかいにもろうて来ました」そう言って岩倉は四人が囲んでいた机の中央に書状を乗せた。
「これが天使様の書状,,,」西郷が驚き、桂と大久保も息を飲んだ。
「ここにちゃーんと幕府を倒せと書いてある。大義名分は充分や。あとは堂々と慶喜を倒せばいい」そう言って岩倉はニヤリと笑った。
しかし、やり手は他にもいた。1867年10月14日、岩倉たちが討幕の密勅を受け取ったその日、時の将軍、徳川慶喜は大政奉還を行った。そして翌日、大政奉還は朝廷によって認められた。
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