7話 道狼

「ちょっと待って!?なんでここに道狼ロールフが!?」

ロールフ?

「さっき言ってた?」

「そうだよ!間違いない...というよりなんでいるの!?」

「君、ロールフなの?」

「ワン!」

見た感じ墨のように真っ黒な犬...いや犬じゃないな、狼だ。こっちの言葉分かるんだろうか?

「未来さん、ひとまず言っとく。連れて帰ろうって思わないでね。」

「なんで?」

「この国の保護指定に入ってるから。」

そっかー。

「まさか、本気で連れて帰ろうと思ったの!?」

「いや、どういう体つきしてるか気になって。ここと私のいる場所では違うとこあるのかなって。」

「それ、人前で絶対に言わないでね?道狼ロールフ愛好家に言ったらまじめに殺しにかかられるからね。」

別に解体するわけじゃないのに。

「愛好家にとっては関係ないから。」

妙に遠い目でしゃべっている。 その愛好家という人と何かあったのだろうか?

「という訳で連れて行こうとしないでね。」

「わかってる、わかってる。あれ?」

離れない。

「ワゥ〜」

絶対に逃すものかというぐらいにしっかりと服に噛み付いてくる。これって

「獲物認定されてないよね?」

「あのー、道狼ロールフさん。離れていただke...え?魔力の波長が合う人は初めてだから離れたくない?できれば契約も?」

あの、ラグ?どうしたの?まさか!その子と話せるの!?

「一応犬の仲間だしね。それより未来さん、重大なことが発生した。その道狼ロールフさんと契約しないとギルド行けない。」

えーと、物理的に?

「うん。未来さん、名前つけて。」

「ラグに?」

「違うでしょ!話の流れ的に今のは道狼ロールフでしょうが!!」

ラグのツッコミが容赦ない。

それにしても名前か。うーん。

「じゃあ君は“墨”で!」

私と狼の子の間に光が一瞬見えた。

「まんまだね。」

「ワン♪」

嬉しそうで何より。

「行くか。」


「あぁ、どうしよう。どうギルマスに話すか...」

ラグは普通に頭を抱えて呟く

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