4話 お家事情

「ラグ、ちゃんと適切な処置してくれたおかげでそこまでやることなかったかな。まあ、この子もしばらく安静にしてたら大丈夫だと思うよ。」

「よかったー。」

それにしても異世界行ったらまさかのお母さんが買っていたらしい家に着くとか思わなかった。それで女の子の応急処置するとも思わなかった。狼っ子だったが。

「えっと、この子の傷、刃物で切られたような感じだったけど...」

「えっ!?なんで分かるの!?えっと未来さんそういうのに無縁な生活送ってたんじゃ?」

「いや、お父さんが鑑識でお母さんが元自衛隊の監察医だし。」

そういえば言ってわかる内容じゃないな。

「子供に何見せてんの!?」

普通に通じた。

「誤解あるから一応言っとくけどこの知識蓄えたの小6だからね?」

勝手にみて怒られたけど。

「はい?小6って11、2歳だよね?今何歳なの?それを全部覚えたと!?」

「今は中2だけど...あれ?なんでラグ、小6が12歳だってこと知ってるの?」

「あっ、え〜と、あれだよ、あれ。穂乃果さんに教えてもらったんだよ。」

お母さんもこういうこと教えるんだな。

「んー、え?今ここどこ?」

女の子起きた!

「シルさん!」

ラグが女の子に抱きつく。女の子の名前はシルなのかな?けどラグ、急に抱きついたら

「痛いってば、ラグ!」

ほら、やっぱり。

「ご、ごめん...」

謝ってる。

「えっとー、あなたは?」

「私は山本未来。一応だけど山本が姓だからね。」

「渡り人!?」

渡り人?単語の意味を考えるに異世界から来た人の総称かな?

「たぶんそうだと思う。君の名前は?」

「シルフです。みんなからはシルって呼ばれています。」

あっ、シルは愛称なのか。

「よろしく、シル!」

「珍しいね、シルさんが本名教えるの。」

えっ、そうなの!なんか嬉しい。

「別にいいじゃん。」

口を尖らす。もしかして噂に聞くツンデレ!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る