第102話 遠足直前
なんか、黒革に気に入られてしまって、顔合わせの後に二次会だ三次会だと引っ張りまわされている。
「明日も早いし、帰って資料整理したいんだが」
大宮駅構内の隠れ家的なバーで俺がちびちび飲んでいるのはホットジンジャーだ。
明日のブリーフィング用の資料は、現地リサーチがさっき完成したばかりなのでこれからだ。
現地リサーチはもう何日も前から無人機を五十台使って虱潰しをしていた。
二十人の命も掛かっているので、情報無しで行き当たりばったりにノコノコ遠足に行ったりはしない。
結構な損害が出たし、銀行内部とか細かい部分で情報が取れなかった場所も有るが、概ね満足できるデータは取れた。
「開放してやるから、さっきのネタ教えろ」
「企業秘密だよ。何度も言ってるだろ」
「誰にも言わないから。どうすれば教えてくれる?」
自分が喰らった訳じゃないのに、相当悔しかったんだな。
「喰らった熊谷傭兵に聞けば良いのに」
「もう聞いた。脳震盪でトンだって言ってた」
タネはバレなかったのか。割と使えるな。
教えてやっても良いけど、どうせだから条件でも付けるか。
ワザとらしく、エロボディを上から下までじっとり観察する。
「何でもいう事聞くなら教えてやる」
ゴミを見る目で見られた。
四白眼で五秒程悩んでいた。
「一つだけだ」
言ったな。
「見てろ」
右手を上げ手首を曲げる。
関節に負荷が結構かかるんで、修復剤が無いと連発は出来ない。
ファージを使い、手首を筋電位の限界速度まで引き上げた状態で背骨から動かし肩、手首までスナップさせる。ボッっと風を切る良い音がする。随意筋だけでは不可能なコントロールだ。
「キモッ!」
「もっと速く出来なくはないが、手がぶっ壊れる。当てた部分の肉が凹んで戻る瞬間に引くと衝撃が浸透していく」
「骨が折れてないのか?」
「顎に当てたんじゃない。舌のこの部分だ」
黒革の顎に触ろうとして、セクハラ扱いされたら嫌だなと止めて、自分の顎で教えようとしたら黒革が顎を上げたので指を当てて教えた。
産毛も無くしっとりと吸いつく肌だった。
黒革の目が少し細くなる。
「肉に当てたのか。浸透勁だな」
「口が開いてると効かないけどな。正確には、寸勁の動きだが、名前は無い。俺が勝手に作ってるテクニックだ」
現代におけるファージの使い方は全てにおいて発想が凝り固まっている。
こうすれば良いのに。という部分がまだたくさんある。
ファージを使って肉体や細胞をただ速く動かすだけではなく、人の体の身体操作一つとっても、色々やり様はある。
格闘が強い奴と弱い奴の違いは、戦略の幅もあるが、結局は身体操作の正確さとバリエーションに尽きる。ルールによる拘束があるスポーツと違い、殺し合いにおいて、速さや筋力の強さはへのツッパリにもならない。
「厄介過ぎるな。近づくだけで終わる」
その通りだ。ヤバいと思ったら、自分をぶっ壊してどこでも動かせる。
「可動域を無視して動かす事もできるから、不意打ちには効果的だ。細かい仕様は別料金だ」
「いや、そこまではいい」
この速度を出すまでに、テッポウエビとかシャコの筋電位をかなり調べた。
特定部位の肉質はこの為に弄ってある。
体格に恵まれない俺が捕まった時の苦肉の策だ。
コボルドみたいな戦闘民族と近接でガチった時にヒヤヒヤしたくないので、随分頭を捻った。
流石に、女の子二人守りながらコボルドとタイマンなんて状況はもう一生ないだろうが、次いざって時に無策ではないってのは大切だ。
手が多いに越したことは無い。
さて。
「おっし!んじゃいくぞ」
「えっ?!」
ニヒルな姉御っぽいのにちょっとキョドってて可愛い。
「ここ、入って良いのか?」
「許可はもう取ってある」
黒革を連れ込んだ二ノ宮本社の多目的倉庫には、今回使う機材を山積みにしてある。
上空からの偵察には二ノ宮の衛星をレンタルしたが、どうせ良く見えないので本番用には貨物積載可能なグライダー三機を飛ばす予定だ。雲の上に滞空させるから撃墜の心配はほぼ無い。
それ以外にスフィアも飛ばすし、偵察用無人機は三百機態勢で周囲を警戒させる。
現地は水没した地域で、浅瀬も深みも沢山有って、建物の残骸が非常に入り組んでおりホバークラフトも入れないので、行ける所までSUVで侵入し、そこにバックアップ班を置いてから三組に分けてフライボードでの進行に切り替える。
フライボードとは、ぶっちゃけジェットエンジン付きのスケボーだ。
ウーファーパイルに着地した時みたいに比翼は付けないで、足元にエンジンを置いて浮かぶ仕組みで、未使用時には背中に格納でき、兵装コミで飛行時間は最長二十分。
騒音が凄いので環境音コントロールに使うノイキャン用スフィアは二百個用意した。
自身の出す音を誤魔化しつつ、時には他で音を出す予定だ。
これで結果的に音の隠密性は気にしなくて済む。
つつみちゃんの黒いスフィアほど高性能では無いが、一人当たり十個も飛ばせば静穏性は飛躍的に上がる。
廃熱に関しては飛行中は誤魔化すのが難しいので、そこは臨機応変だ。
このフライボードの良い点は、練習が全くいらない所と、サポートや誘導が非常に優秀な所だ。”皆好き勝手に動いて作戦事故率が上がる”なんてザマを防げる。
ただ、動作が最適化されてしまっているので、偏差射撃とかされると対処が難しい。そこはプロの方々になんとかしてもらう。
そもそも、戦争をしに行くのではない。
サッと行って、・・・熊谷とやらかす事にはなるだろうが、情報だけ取ってサッと帰ってくるのが理想だ。
俺がどんな行程で行くかは、二ノ宮は発注した機器から推測しているかもだが、他の奴らは知らないだろう。傭兵たちにも大まかな部分は明日説明する。目的地は直前まで教えない予定だ。
行程がバレればそれだけ襲撃されやすくなるからな。
「こんな所でするのか?」
コートを脱いだ黒革はキャットスーツのチャックを下ろしたので慌てて止めた。
「ちょ!」
まぁ待て。
「何だ?今更”雰囲気が・・・”とか言うわけじゃ無いだろ」
「やって欲しいのは、俺の手伝いだ。お前の相手でプランが遅れた。動作確認と明日の行程のチェック手伝え」
チベスナ顔になった黒革は無言でチャックを上げ、乳首ギリまで見えた胸をそっ閉じした。ヘソ周りの腹筋が綺麗に鍛えられているのをしっかり見てしまった。
「知っていたさ。冗談だよ」
そうだ。そういう事にしておいてくれ。
きっとどこかでつつみちゃんが見ている。
「睡眠は五時間は取りたい。後二時間で終わらせるぞ」
フライボードの山を前にとほほ感丸出しの黒革の哀愁を感じる背中は、プリプリパツンなケツがエロいので差し引きでケツの勝ちだ。
目の保養で俺のテンションも維持できる。
別に、胸のチャックも開けたままで良かったのだが、藪蛇は困るので黙っておこう。
嗚呼。朝日が眩しい。
この二ノ宮本社のラウンジは東向きで朝日がダイレクトアタックしてくる。
嫌でも目が覚める。
睡眠時間が四時間半だったので若干眠い。
エスプレッソで目を覚ます。
今日も朝からコーヒーが美味い。
昨日は結局、ベンチマークポイントの設置にかなりの時間を割いてしまった。
黒革はやはりプロで、監視や哨戒の位置取りに関してかなり細かいアドバイスをもらった。傭兵って荒事専門だと思っていたが、ロジカルな戦術運用を基本とした考え方でびっくりだった。
最後まで手伝ってくれて、送っていくと言ったのだが、疲れすぎて帰るの億劫だから駅近にホテルを取ると言うので、駅まで送った。
当然、何事も無かったのだが、翌朝何故か地所本社のラウンジでスイーツつつきながらお茶してるつつみちゃんの視線が痛かった。近づくなオーラをガンガン出していて、流石に同じ席には座る勇気が無く、隣のテーブルで俺が朝食を食べ始めてもスルーだ。
いや、視線は無いのだが、目端で威圧してる気がする。
別に、俺たち付き合ってる訳じゃないし、黒革とも昨日何もなかったし、そもそも、遺物の珍獣とつき合うとか病気たかりそうで気持ち悪いだろうし、あれか?ペットの犬が粗相をしたのが気に入らない飼い主が罰として無視して辛く当たっちゃう的な?
深呼吸。
「つつみちゃん。おはよう」
実際どうなのか分からない。
聞いた方が早い。
コミュニケーションに難があると、今後の仕事にも差し支えるからな!
俺を横目で見て、目をケーキに戻し、紅茶を一口飲んでからまた俺を見た。
じっと見ていた俺に少し笑って。
「そういうの卑怯でしょ」
「どの辺が?」
呆れたのか、耳を下げて苦笑いしている。
「捨てられた子犬みたいな顔してる」
そんな、筈は無い筈。
「何で赤くなってんの」
「いや、なってないし」
つつみちゃんはケーキの残りを一口つまむと、椅子の背に背中を預けた。
「今日、気を付けてね。わたし支援出来ないけど。危なかったら信号弾で遠慮なく呼んで」
「うん」
「一応見てるけど、ファージの濃霧下だとここからはほとんど確認できない」
「無理そうなら直ぐ引き返す」
「うん。ホントそう」
場所は分かっているし、何故こうなったのかという自分のルーツは知りたいが、死んでまで知りたい事ではない。
「熊谷の傭兵団が動き出したって。大宮から異議申し立てしてるけど、依頼による実地調査が建前だから時間稼ぎにしかならないって」
「白々しいな」
俺を逃したのがそんなに悔しかったのか。
「スミレさんが、偶々パトロールしてた体で人を動かす予定だけど、太田のテリトリーまでが限界だって。救援着くまでヘリでも三分かかるからね」
「なんかごめん」
近所の河原に遊びにいく子供は、親にこんな感じで心配されるのだろうか。
今は、河原で遊ぶ子供などいないか。
利根川の河川敷なんかで子供だけで遊んでたら汚染も酷いし、即攫われるだろう。
「別に。よこやまクンだし、心配はしてないけどね」
チロッと舌を出して恥ずかし気に笑うつつみちゃんが天使過ぎて辛い。
ブリーフィングは二ノ宮で借りてる多目的倉庫の中、機材を使いながらそのまま行う。
「おーし、んじゃあまず携行品の説明からなー」
今回のメンバーは騒ぐアホが居ない。
良い人選だ。紹介した奴にはボーナス付けておこう。
と思ったが、やっぱりバカが紛れ込んでいた。
「ちょっと待て。冒頭にホワイトパワーがん積みの御高説はタレないのか?」
ああん?
「ええと。俺にお米の国の基教徒上官みたいなマネしろと?」
目録を見ながらこっそり電卓を叩いていたおっさんが口を挟んだ。
「景気づけはテンプレだぞ」
皆ワクワク顔しているのはワザとなのか?
示し合わせてたのか?
まぁいい。
咳払いをしてから皆を見回す。
ムサい筋肉に紛れて紅が二点。
計二十人。
「諸君。今回のミッションに参加出来た幸運を神にカンシャして欲しい」
講釈たれようとしたが。
「俺仏教徒なんだけど」
「俺モルモン教徒」
「無宗教だわ」
「マジで。キモッ」
やっぱ、アホばっかかな?
「信仰は個人の自由だ。だけど、自然信仰。てめぇは駄目だ。この中にはいないな?いたらスリーパー権限でぶっ殺だぞ?」
折り畳みデスクに置いてあったSMGに目を向ける。
全員が同じものを見た。
よし、おーけー。日本人よりクジラが大切なナチュラリストは居ないな。
「資料でも渡した通り、今回は激しい戦闘が予想される。だが、ミッション成功時の報酬はその分イロを付けてある。成功報酬は機材の損耗度によって変わるが、生きて帰ってこれなければ意味が無いのは当然だな。諸君には是非、五体満足でミッションを成功させて報酬をもぎ取って欲しい」
「先生質問」
「はい、筋肉ダルマ君」
「他のメンバーの兵装を損耗した場合のボーナス付与率は?」
いい質問だ。
「戦闘は全てログを取る。俺の独断によって評価される。他人の兵装でちょろまかす等の不正には厳正に対処する。正し俺の判断はその限りではない」
「クソ野郎にはクソしかやらないって事さ」
黒革さんが補足してくれた。
因みに、今日の黒革さんはスーツのみ、コートは無しだ。
流石に、ロンコ着てフライボードに乗ったらコントだからな。
高気密性ウェットスーツの上からフルカーボンのアシストスーツを装着しててめっちゃカッコイイ。ヘッドギアが前に外すタイプなのは、フライボードを背中に格納する故だろう。
個人兵装はミッションの範囲内で自由にしてもらっている。必要経費は予算の範囲内での事後精算だ。
もう一人の華、殺し屋の方はアトムスーツの上からオフィススーツ着てて、意味不明だ。
あのアトムスーツ、どう見ても地下製のだよな。しかも、見た感じかなり改造してあるっぽい。服の下で見えないがパワーアシストも付いてそうだ。
俺のと似てるの気付かれないかな?
「なんだぁ?もうスリーパーの女気取りかよ」
「世の中カネってことよ」
おっさん共の誤解が激しい。
「羨ましかったらその貧相なムスコを切り落として穴付けてからから出直しな」
黒革も誤解を解けよ!
「黒革君。誤解を招く発言は控えていただこう」
「くろっ?っ俺かよっ!」
呼び方の方に不満があったようだが無視だ。
終始和やかな雰囲気で進んだブリーフィングの後、軽く栄養補給をしてから最終確認に入る。
「っと。車は防弾なのか?」
「大口径の徹甲弾は防げないが、片手持ちの徹甲弾なら防げる、巻きこみ合板入れたからな。後ろの窓には銃眼付けたんだが、換気は早いが車内の防音はしてない。車内で撃ったらスフィアで遮音しても耳が死ぬから、ヘッドギアしててもイヤーマフ必須だな。車ごとに積んである。ガスや爆風にはファージ兵装で対応する」
「キャンプ位置が確実に熊谷の奴らに襲われる想定なんだな?」
「俺だったら絶対キャンプを不能にしてからメインディッシュを叩く。他の勢力や脅威に対しては高度な柔軟性を持って臨機応変に対処してもらう」
「相手の規模が千人超えてたらどうする?」
「現実的に無理だろう。関連企業の手勢をかき集めても百人は超えない筈だ。ファージ対策百人分発注したという情報は今の所上がってきていない。そもそも」
そもそもあの場所で生き残れる奴が百人いるとは思えない。
歴戦の猛者でも、対策が無ければ尻尾を巻いてトンズラする場所だ。
「砲撃や爆撃のみで攻撃された場合は?」
それが一番困るんだよな。
「一応、表立った行為は大宮の反感をモロに喰らうからやらない筈だが、捨て石企業の所為にして飽和攻撃やってきたら、二ノ宮の航空部隊に空爆か迎撃してもらう。牽制も込めて、作戦直前に熊谷市役所に脅迫・・・じゃない通知を出す」
あ、そうだ。
「俺が認識している脅威は現状ここに表記してある分だけなんだが、あの場所に詳しい者がいたら意見を聞きたい」
殺し屋以外、経歴と履歴からはあの場所の大した情報は出なかった。
オフで活動してる奇特な奴はいるのかな。
「旧伊勢崎のあの区画は面倒しかない地域だからなぁ。ダチから話には聞いたことがある」
「ファージの霧に沈む前なら一度端っこを通ったが、近づくだけで脳が溶けそうな場所だ」
「熊谷の襲撃チームも入りたくないかな?」
「俺だったら、ボウズの言う通り、キャンプ襲撃が安牌だなー」
「やっぱ半々じゃなくて、キャンプに十五人割り振るか?」
悩ましいな。
「奥地は、それはそれで危険だ。十人を三チームに分けて補完し合うのが無難だろう」
正直、データを見る限りは金を積まれても俺なら行きたくない。
だがそれを俺が言うと支払い金額がつり上がりそうなので言わない。
ミッション成功が高額ボーナスの条件でもあるので、生還と天秤に賭けさせてもらう。
死傷者多数で俺だけ五体満足に情報持ってこれても、その時の支払いは少ないが後々問題になるので、是非全員生還を目指したい。
「こんな所かな。他に何かあるか?」
「バナナはおやつに入りますか?」
最後まで締まらない奴らだ。
「携行可なのは臭いの出ないモノだけだ。臭ぇタバコとかガム持っていくなよ?クチャクチャやって臭いで位置バレは自己責任だからな」
「ヘッドギアすりゃ問題無いだろ」
「アトムスーツなんだろうな?完全気密じゃない限り、漏れるからな。死にたく無きゃ半日くらい我慢しろ」
当然だが、気密服でも排気がある。タバコなんて吸ってたら臭いがまき散らされる。この中でガム噛んでも大丈夫なのは地下製の超高性能アトムスーツを着ている俺と殺し屋だけだろう。
「ビンボー人は禁煙ですぅ」
「貴様も同じメーカーのスーツだろクソが」
即席メンバーなのに皆仲が良くて一安心だ。
濃霧地域への突入メンバーは全員気密服で、携行武器は補助義手で運用予定だ。
無人機と組み合わせれば遮蔽物から一方的に制圧出来るのは青森で散々思い知った。
補助義手が北関東でマイナーなのは、コスパが悪いからの一言に尽きるのだろう。
傭兵の平均月収は月四十万円が相場だそうだが、射撃用義手一本二百万円、メンテで最低月十万かかる。壊したら赤字だ。
自分で撃って怪我したら組織修復剤を使う方が安い。
ただ、当たり所が悪ければ治らないし、失血が多ければ治る前に死ぬ確率も高い。
そもそも。銃弾なんて当たったら、防弾スーツ程度では穴が開かないだけで大怪我するので、当たらないように動くのが基本だ。
今回は接敵が少ないように遂行するのが優先となる。
因みに、俺のスペック的には銃弾を避ける作業は可能だが、実戦で弾避けとかは不可能だ。
ファンタジーだと眼が良ければ避けられたりするが、実際やってみると難易度が半端ない。
まず、ダウンフォース、ライフルでも無風一キロ先で七メートルも下がるし、室内でも弾によっては十メートルで二十センチも落ちる。
持ち手の癖やトリガーの動きと反動で銃口も瞬時にブレまくるし、その誤差までファージ検知して当たらないよう動くのはぶっちゃけ間に合わない。弾も真っ直ぐ飛んでこない。
加えて、跳弾もある。避けて終わりではない。
撃たれた弾や撃った弾がどこでどう跳ね返るのか。
跳ね返った弾に当たる方が厄介だ。
どう頑張っても人は銃弾より速く動けない。
綺麗に飛んでこない弾に当たると綺麗な怪我が出来なくて辛い。
以前、ファージを使ってどこまで速く動けるか試した事があって、加重に耐えきれずに手が壊れた。ちょっと振り回しただけで血流が滞って爆発するのではないかというくらい激痛だった。動かしたのが頭だったら俺はその時即死してただろう。
それ以来”撃たれてから避ける”みたいな厨二臭いスピードの避け方は頭から排除した。
ロマンはあるが、所詮ファンタジーだ。
ヤられる前に気付かれずに制圧するのがマスト。狙われて撃たれてる時点で三流だ。
探索チームは何があってもある程度対応出来るように綿密な準備を整えた。
逆にキャンプチームは攻撃される想定で準備している。
今回で熊谷も割に合わないと諦めてくれれば良いなぁ。
警告は出す。それでも来るなら容赦なく殲滅させてもらう。
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