第6話

希達3人はアフリについて分かった事があると佐藤に呼び出されていた。

「よう、久しぶりだな。」

「おじさん、待ってたよー」

「待たせてしまったか。」

「いえ、私達もさっき来たところよ。」

「あの人の事について何か分かりましたか?」

「ああ、その事で連絡したんだ。それじゃあ早速話していこう。月無はガキの頃、両親から虐待を受けていたらしい。んで、児童相談所やら警察やらが動いて児童養護施設に入る事になったらしい。それから数年は何事なく、施設の大人達とも普通に接していたし、施設長を特に慕っていたみたいだ。」

「数年は?」

「そうだ。アイツが施設に入って数年後、刑務所から出てきた親がアイツを連れ戻そうとした。当然、施設長は拒否したが、結局警察を呼ぶまでの騒ぎになったらしい。」

「それで、どうなったの?」

「両親には接近禁止命令が出されたが、その数日後から施設に対して嫌がらせが始まった。ゴミを投げ入れられたり、落書きされたり、変な噂が流れたりな。」

「変な噂って」

「施設長は小児性愛者とかはまだカワイイ方だったぜ。」

「警察は動かなかったんですか?」

「残念ながらな。対応があまりに消極的すぎて我が目を疑ったよ。それが1年続いた頃、施設長は自殺した。」

「そんな!」

「月無は施設長が自殺してゴタゴタしている施設を出て行った。施設の子供に親に会ってくると言い残していたみたいだ。」

「その、両親は?」

「行方不明だ。」

「まさか...」

「十中八九、死んでるだろうな。月無はその時中学生だったが、その後登校する事はなく、そのまま中退という事になったらしい。その後の足取りは2年前にアパートを契約したという事くらいで、その前に何をしていたのかは分からん。」

「最近は何を?」

「日雇いのバイトをやっていたらしい。」

「昔の事なのによく調べられましたね。」

「苦労した、と言いたい所だが、前にこの件を調べていたヤツがいたみたいでな、俺がやったのは裏取りくらいだ。」

「...そっか、そんなにも苦しんでいたんだね。でも、だからってなんでもやっていい訳じゃない事を教えてあげないと。」

「そうね。彼には罪を償わせないといけないわ。」

「そのためにも、彼の心を救ってあげましょう。」

「そうだね。」

「俺に出来る事はここまでだ。月無を救ってやってくれ。」

佐藤は頭を下げ、後を託したのだった。




3体のイーヴィルが魔法少女と戦っている。

「今日はいい感じにダークエナジーを発しているヤツらがいたが、何かあったのか?…あ、バレンタインか。」


「「「GYAAAA!!」」」

いつもより迫力がある気がするイーヴィルは魔法少女と1対1で戦っているイーヴィルを眺めつつダークエナジーを回収している。


「これはこれで楽だな。しかし、アイツら戦い慣れてきているな。」

そろそろ退散しようかと腰を上げた瞬間、強烈な殺気を感じ、その方向に攻撃を放った。

「お前、何者だ?」

「私はMagicalマジカルCinerシネラ、あなたにhope希望を与えましょう。」

所々に英語を混ぜて話す紫の魔法少女からは言葉とは裏腹に殺意を感じた。

「お前、ふざけてんのか?」

「薄汚い闇のvanguard尖兵風情が私に話しかけるな。」

「チッ、話にならねえ。」

Wait待て!逃がさない!」

「イーヴィル共、融合しろ。」

「3体のイーヴィルが1つになった!?」

「次は遊んでやる。」

Shitクソ!逃げられた!あー!このirritation苛立ちぶつけてやるんだから!」



圧倒的な強さでイーヴィルを片付けたシネラは3人の魔法少女に話しかけられた。

「えっと、私はマジカル・リリス。あなたは?」

「別にあなた達と馴れ合う気はないから。Byeそれじゃ

「待って!行っちゃった。」




俺がアジトに戻るとシルクハットを被り、顔の左半分を仮面で隠した男が座っていた。

「誰だ?」

「あなたが私達の新しいcomrade同志ですか。私の名はJackジャック。以後お見知り置きを。」

「ああ」

「あなたは自己紹介して下さらないのですか?」

「チッ、アフリだ。」

「やはり、自己紹介をするという事はお互いを知り合おうという気持ちの現れ!良いものですね。」

「そうかよ。」

「おや、何かお悩みのご様子。このJackジャックに相談してみてはいかがかな?」

「なんでもねえよ。」

俺は部屋を出て行こうとするが、ジャックの一言がそれを遮った。

「紫の魔法少女に邪魔されましたかな?」

「お前、何を知ってる?」

「彼女は強い。Becauseなぜなら、たった1人で私の邪魔をし続けていましたからね。何度煮え湯を飲まされたか分かりませんよ。」

「海外で活動していたんだったか。」

「ええ、私の母国イギリスです。」

「ジャックねぇ」

「この名前はイギリスでは一般的ですよ。」

「だから胡散臭いんだろうが。」

「What!?」

「うるせえ」

「ああ、それと。シネラは私の獲物です。横取りしないでくださいね。」

「知るか。わざわざ選んだりしねえよ。」

「では、あなたがやる前に彼女を殺らないといけませんねぇ。あぁ、彼女を早く私のcollectionに加えたいものです。」

「勝手にやってろ。」

俺は今度こそ部屋から出て行ったのだった。

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