第8話まずは悪の根元、黒田から
インタビューを受ける、黒田市会議員と
木村県会議員。
二人共が、黙秘だった。
見るからに、イライラしていた。
(ふてぶてしい!見ているだけで吐きそう
だわ!)
そう感じる歌保。
(さぁ、どうするの?辞めるの?辞めないの?どっちにしても、私は次に進まないと!)
歌保は前の探偵を、又雇った。
そして、今度は三人の家に、盗聴器を
仕込んで貰った。
探偵には、守秘義務が有るが、他言無用で
報酬を弾んだ。
そして、自分の家、高井家を探ったり、調べたりしている者が、居ないか見張る様に
お願いした。
それは復讐が終わる迄、ずっとなので結構な
金額になるが、歌保達には、もうお金は必要
無いので、仕事を依頼した。
それでも歌保達には、歌保の退職金等で相当
な金額のお金が入る。
充にも、早期退職をする事にした。
もし、充だけが残った時の事を思って歌保が
薦めた。
充は、知らぬ存ぜぬで通せば、ある程度
年金も貰えるから、歌保としては安心だった。
そして、とうとう二人は、議員を辞職した。
世間からしたら、当然の事だろう。
その夜、黒田家では大きな声で、怒鳴り散らす、黒田浩の声がした。
妻の真由美に
「お前は、家に居て何をしてたんだ!あの日
どうして、夜に外出させたんだ!あんな遺書
あの遺書のせいで、俺の人生は、滅茶苦茶だ!」
「あなた、それより涼子の事の方が…」
「だから、お前はバカなんだよ!あの地位
給料を、どうやって貰うんだよ!お前に
出来るのか!」
「お金だけが、全てじゃ無いと…」
「あ~もう、うるさい!黙れ!このバカ女が!」
足音が聞こえた。
(浩は、何処かに行ったな、今は妻の真由美
一人ね、チャンスだわ)
歌保は、黒田家に電話した。
「はい、黒田でございます」
「私、先日亡くなった、高井愛奈の母ですが
この度は、御愁傷様です、あの遺書に書かれていた事は、本当でしょうか?」
「あの、その私には、全然分からなくて主人は、話を聞いてくれませんし」
「先程、そちらに伺ったら、凄い罵声が
聞こえた物ですから、伺うのを止めて帰って
来たんですけど、何時も、あ~何ですか?」
「はい!私がバカですから」
「そんな事は無いですよ!今日のあの罵声
ご主人が悪いですよ!良く耐えてますね!」
「もう、この年で子供が居ましたから」
「でも、もう子供さんは居ないんですから
一人になりたいと、思いませんか?」
「それは、出来る事なら、何も言われずに
自由になりたいですけど」
「良い方法が、有りますよ」
「えっ?どんな?」
(食い付いて来た、よし!)
「奥さんは、まず心療内科に行って、主人の
モラハラで寝れないと言って、睡眠薬を
貰って来てください、それを、ご主人が
飲むお酒に、大量に溶かして飲ませて
ください、すると直ぐに寝ますから、寝たら
私に電話してください、私が家迄、行きます
から」
「あ、あはい!分かりました!明日必ず
病院に行って、電話します!」
「じゃあ」
「ありがとうございます!」
(これで、黒田家は破滅ね!次は木村家と
矢田家だけど、まずは黒田家を仕上げて
からね!でも急がないと、警察が動き出したら、面倒だからね)
探偵から連絡が入る。
「もしもし」
「僕です、異常無し」
「ありがとう」
極力、言葉少なく話を済ませる。
警察を警戒しての事だった。
ただ、歌保は復讐を進めながらも、自分が
一番嫌いな、弱って居る人を落とし入れる
事に、躊躇するが、やはり愛娘の愛奈の死
には、先に進んでやるしか無いと、思うの
だった。
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