第10話全国大会
「柊、明日出発か?」
「はい、お休みしますけど、よろしく
お願いします」
「柊さん、任せてくださいっす」
「あんたが1番、心配なんだよ~」
「まぁ、頑張って来いよ、でもケガをする
なよ!」
「はい!」
「柊さん、僕はこの港署から、応援してるっす!」
「応援は、いいから仕事してよね!」
「本当だぞ!早川!柊が居ない分、お前が
頑張れよ!」
「ウッ!」
「早川どうした?」
「僕に柊さんの、変わりは無理っす」
「そんな事は、分かってるよ」
「あ~良かった、分かって貰えてて」
「ハハハ、じゃあ私は明日の準備が有るので
今日は上がらせて頂きます」
「お~気を付けて帰れよ」
「柊さん、ファイトっす」
「ハハハ、じゃあね~」
私が帰った後に、早川は権田さんに聞いた
そうだ。
「権田さん、柊さんはどうして、あんなに
強くなろうとしてるんすか?」
「お前には分からないか?柊の気持ちが」
「柊さんの気持ちっすか?」
「あ~あいつは、元々、身体能力が優れて
いたが、高井さんの事件が有ってからは
自分を追い込む様に、厳しい練習を敢えて
しているんだ!なかなか練習時間が取れないが家で、しているだろう!柊は強くなって
弱者と被害者を、守ろうとしてるんだよ!
柊なりに考えてるんだよ、見てろよ、この
大会も練習は、まともに出来て無いけど
そこそこの成績は残す筈だからな、みんなと
抱えてる物が違うんだよ、精神力もな!」
「柊さん、カッコいいっす、僕は尊敬するっす」
「お前は、すっす言わずに、早く1人前に
なれ!」
「え!僕は今、何人前っすか?」
「う~ん、0.1人前だな!」
「もう~権田さん、ヒド過ぎるっす」
「さぁ、仕事するぞ!」
「はい!」
そして翌日
「もう、そろそろ始まるな」
「うわ~僕、なんか緊張して来たっす」
「だから、何でお前が緊張するんだよ!」
「僕と柊さんは、一心同体っすから」
「お前、それ柊が帰って来たら、絶対に俺は
言うからな!柔道の締め技で、落とされろ!」
「うわ~怖いっす!権田さん言わないで
おくれでござる」
「お前は、どうしてそんな変な、言葉ばかり
使うんだよ!」
「僕にも分からないっす、親に聞いて
くださいっす」
「は~もう頭が痛い、早川コーヒー」
「え~!僕っすか?」
「お前、柊が居ないと、コーヒーも入れない
のかよ!」
「分かりました、入れるっす」
そして、コーヒーを入れる早川。
「はい、どうぞっす」
「お~ありがとう」
電話が鳴る。
「はい……了解です、早川行くぞ!」
「こんな日に~はい!」
「児童に声を掛ける、不審者が目撃されてる
そうだ、聞き込みするぞ!」
「はい!」
そして聞き込みが終わって、署に戻る
権田と早川。
「おっ?もう試合は終わってるな?」
「そうなんすか?」
そこに又、電話が鳴る。
「又っすか?」
電話に出る権田。
「はい、おっ!柊か?どうだった?」
「ヘヘヘ、優勝してしまいました!」
「お前は化け物か!おめでとう!気を付けて
帰って来いよ!」
「柊さん、どうだったんすか?」
「優勝したってよ!」
「えっ!え~!優勝っすか!僕は一生
柊さんに着いて行くっす!」
「早川~~お前な~~!」
「ハハハ、権田さんにも着いて行くっすよ~~~」
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