第4話全国大会の案内

「お~い、柊」


「何ですか?」


「何か大会の案内が、来てるぞ」


「あっ、はい」


封筒を開ける私。

中身は空手の大会の案内だった。

この前、県予選は優勝したので、全国大会の

案内だったが、1ヶ月後、練習が出来て無い

から悩んでいた。

全国大会が有るのは、分かっていたが

我が班は、人員が少ないので練習する

時間が無かった。


「柊、何の大会だ?」


「あ~空手の全国大会の案内です」


「何時だ?」


「1ヶ月後ですね」


「お前、全然練習出来て無いんじゃ無いのか?」


「そうなんですよ」


「どうするんすか?柊さん」


「まぁ、せっかくだから出るよ」


「試合は何処で、するんすか?」


「東京だよ?」


「え~!僕、応援行け無いっすよ、東京は

遠すぎっすよ!」


「早川、例え近くても、お前は行けないぞ!」


「どうしてっすか?」


「柊が大会で休むのに、お前が休める訳が

無いだろう?少しは頭を使え、考えろ!」


「ガ~ン」


その場に、倒れ込む早川。

邪魔なので早川を、避けて権田さんと。


「でも柊、少しは練習しないと駄目だろう?」


「そうですね、勘が鈍るし、身体も」


「よし!1ヶ月、俺が練習に付き会うよ!」


「え?権田さんが?」


「あ~早川では、無理だろう?」


「まぁ、そうですけど、いいんですか?」


「あ~普段、事件解決に頑張ってる柊に

俺からのお礼だよ!」


「え~!最高のお礼です!ありがとう

ございます!」


「あの~僕は、練習を見てもいいっすか?」


「あ~お前?空手に興味が出て来たのか?」


「ブルブル、とんでもないっす、お2人の

練習を見たいだけっす」


「静かに見ろよ」


「僕は子供じゃ無いから、静かに見るっすよ

失礼な」


「早川、お前より最近の子供の方が、しっかりしてるぞ!」


「なんすか?それ~」


「ハハハ」

(でも権田さんが、練習台になってくれる

なんて最高、あんなに強い人と組めるなんて

もう最高)


心から喜ぶ私は、何故か顔に出てしまう。


「柊さん、どうしたんすか?ニヤニヤして」


「えっ!ニヤニヤしてた?」


「はい!思いっきりしてたっすよ」


「早川、お前には分からないだろうけど

柊の勝負魂に火が、ついたんだよ!」


「勝負魂に火がつくって、全然何か

分からないっす、柊さん大丈夫っすか?」


「うん、大丈夫だよ、つい嬉しくてね」


「柊さん、可愛いいけど変人っす」


「早川~~~~~!」


「変人じゃ無い、鬼っす!」


「待て~~~~~!」


そんな私達の姿を、権田さんは微笑ましく

見ていた。

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