第7話 もっと言って



 用意された席について、ビーズと格闘している間、彼氏がしつこい。


「意地悪言わなかったんだから、ほらもっと俺の好きなところ言ってみてよ」

「もっ、もうちょっと後にしない?」

「この調子でデート終わったら、友達に言う事なくなるけど?」


 私は悩みに悩んで、「初めてあった時、カラオケのドリンクバーのところで一緒に飲み物運んでくれたところが好き」とか、「無理やり参加させられた合コンを抜けさせてくれたところが好き」とか、そのあと「親な気持ちを吹き飛ばすために面白いメールたくさんくれたところが好き」と言った。


 にやにや笑いで聞いていた彼氏は「こんなに愛されて幸せ者だな~」と抱きついてきた。


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