401 ダンジョンマスターの仕事もやっているのだ!

 さて、色々作った食品メーカー、ダンたちにモニターさせるのは決定にしろ、分身もコアバタたちもたくさん集まっていただけに、ものすごくたくさん作ったのだ!

 この食品メーカーと材料さえあれば、店をやるのも至極簡単。

 しかし、他の店を潰してしまい兼ねないし、このマジックアイテムが見付かってしまえば争いの種にしかなるまい。

 ここは良識のある強い冒険者にゲットさせよう。


 ダンジョンの宝箱やドロップ品で出してみた。

 取扱説明書とそこそこ作れる程食材を内部に入れて。

 ユーザーサポートで転移ポイントも仕込んであるので、さり気なく使い方追跡もアフターサービスも出来る。


 オークションに出せば高額になる強い武器や防具より、料理下手な冒険者には特に喜ばれるこのマジックアイテム。

 使い方次第では大儲けも出来るが、変に自慢して盗まれることもあり得る。

 余程、アコギな使い方や食べ物を無駄にするようなマネをしなければ、取り上げるつもりはない。

 家宝として代々伝わって行けば面白いかもしれない。


 ダンジョンで出すのはいいが、問題は階層だ。

 それなりに強い冒険者じゃなければ、食品メーカーを守れないが、下層に来る冒険者は少ない。


 ここはコアたちに、これは!と思う強い冒険者に渡るよう、宝箱、ドロップ操作をしてもらおう。

 浅層でも中層でも下層でも表向きはランダムで(実際は選んでる)出る、ということで。


 腕力が強くても考えなしだと瞬く間に騙し取られそうだし、腕力はそこそこでも思慮深い冒険者なら上手いこと使ってくれるだろうし、単にもう少し食事事情がよければ、下層まで来るだろうな、という冒険者パーティに渡すのもいいだろう。


 ゲットした冒険者がギルドに報告すると、食品メーカー目当てに冒険者が増えるかもしれない。材料を入れるだけで手軽に食べられるというのは、誰にとっても魅力的だろう。


 ダンたちには「料理メーカー」「パンメーカー」「ケーキメーカー」「クッキーメーカー」「麺類メーカー」の五種類を渡した所、絶賛された。


 入手が難しい鰹節、酵母、イースト菌、ベーキングパウダー、ビフィズス菌、海藻類等々は多目に入れてあるので、当分は大丈夫だろう。これらを一から作るには別メーカーが必要になる。


 ダンたちはシヴァが分けるからいいものの、宝箱やドロップ品からゲットした冒険者は、食べられない料理が増えて行くことになるが、そこまでフォローは出来ない。

 コンソメやブイヨンはよくある食材から錬成出来るし、ベーキングパウダーを使わない菓子類も多いし、ドロップ食材を自動調理というだけでも便利だろう。


 他にも新しいドロップを増やそうと、冒険者には嬉しいソファーベッド、ソファー、ソファーセット、アウトドアテーブルセットをそれぞれ専用収納付きで入れてみた。

 持ち歩きし易いよう人工石のペンダントで。一見はアクセサリーにしか見えない。


 ソファーセットも革張り、布張り、カラフルパッチワーク、籐風アジアン、カウチソファー、瀟洒しょうしゃな猫脚ソファーと色んなテイストを用意してみた。

 現在ある家具とはかけ離れた人類の叡智の結晶のため、貴族も欲しがることだろう。


 シヴァがマスターになったダンジョンは、徐々に色々と混ぜて行っているので、冒険者たちからもウケがいいし、ダンジョンに来る冒険者たちも騎士兵士たちも増えている。


 中でも人気なのが浅層でも出てドロップ率もそこそこの衣類である。

 開襟シャツ、長袖Tシャツ、伸縮性が高いカットソー、と色も形もサイズも様々で、何と言ってもどれも着心地がいいからだ。

 高い素材は使っていないものの、合成繊維で着心地を追求したものだったりする。

 サイズが合わない物は売ったり、リフォームしたりしている。


 中層まで行くと、スパイダーシルクや魔カイコシルク混の防御力が高いアンダーシャツやコンバットベストや下着セットがドロップするようになっている。

 徐々に増やしているし、ダンジョンは元々気まぐれだとされているので、「あれ?何か変わった?」とは思っても、誰も深くは追求しない。

 ダンジョン研究家なんていないし、そんな広範囲に渡って調べる余裕もない。


 色々他事もやっているが、シヴァはちゃんとダンジョンマスターの仕事もやっているのだ!


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4コマ漫画更新!

https://kakuyomu.jp/users/goronyan55/news/16818093074538204303



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