400 分身三十人はさすがに壮観
魔力消費が多いのは極大殲滅魔法や大規模建造物作成だが、前者は論外なのでエレベーター付きのマンションでも作ってみよう。
災害時の仮設住宅としても使えるし、賃貸で貸してもいいだろう。
…いや、住人トラブルが面倒そうだ。まだ子供ばかりの従業員たちもいずれは所帯を持つだろうから、家族寮でいいかもしれない。
キエンダンジョンに新しく作業フロアを
分身も二十人出して。
「あれ?中々減らねぇぞ?」
浮遊魔力利用の熟練度が上がったらしく、自分の魔力は呼び水程度で、ぐいぐいと魔力が集まって来る。魔力を使えば数字は減るが、すぐに元通り。
いつまで経っても魔力大量消費による疲労はなく、魔力量無限大とは正にそのまま、らしい。
マンションは4LDK、3LDK、2LDK、パズルのように上手く組み合わせて、一つのフロアに混在するようにした。その方がバルコニーの場所も取れるので。
元の世界で色々と見た住宅広告のおかげもあった。段々畑のように上の階に行く程、部屋数は減る。
そう高くしても強風で揺れるので20階までで。
自由に天候も操作出来るのだから、こういった検証もダンジョン内なら最適だった。
外観はともかく、扉や窓がかなり面倒臭かったので、コアたちの助力を頼む。
「部屋の内装も全部一緒ってのも味気ねぇよなぁ」
「フロアごとに特色を決めてみるのは?和風、中華風、和洋折衷、アジア風、アメリカンとか」
「そうなると家具も作らねぇと雰囲気出ねぇぞ?見本部屋を作ろうぜ」
「趣味の家造り」
「屋上庭園はどうする?」
「誰か暮らし始めてからでいいだろ」
分身たちとの脳内ではなく、リアル会議で方向性を修正しつつ、作業をして行ったが、いつまで経っても魔力が尽きないので適当な所で休憩を入れた。
自動販売魔道具同様、設置してから杭を打ち込む形式にして、建物自体は収納にしまえる。
空間収納か影収納、それにシヴァが着けてるイヤーカフ型収納(1km四方)のみで、さすがに他のマジックバッグには無理があった。
空間収納も地味に使っているので熟練度が上がっているのだが、一体、どれぐらい入るのかはいまだに不明だったりする。
やはり、中々魔力が尽きず、余裕まであったので、もう十人分身を出して各種メーカーの開発もやることにした。
芋チップスやとうもろこし菓子やポッキーや一口チョコといったスナック菓子メーカーも欲しい。
本体一人、分身三十人はさすがに壮観である。
二十人分しか装備や服はないので、もう十人分は新しく作る。分身自身が。キーコが素材を出してくれるので楽々だ。
それにしても、本当に本体に負担がない。
やはり『限界突破者』称号とダンジョン内で魔力が豊富なおかげだろう。
分身にも大いに魔力を使わせたまま、どのぐらいで限界が来るのか、何か不具合が出るかもしれないと、そのままで作業を進めたが、三日経っても一週間経っても何ら不具合はなかった。
本体は生身なので睡眠も食事もしていたが、分身も同じ行動をしていた。
作っているのが集合住宅なので好きな部屋に、それぞれ居心地よく家具を作って。
日に一度は本体と分身の記憶共有をしているが、分身たちも別に不具合は出てなかった。
分身は別に食べなくても睡眠を取らなくてもいいのだが、精神的に疲れを感じるらしい。人間である本体を元にしているだけに。
ちなみに、排泄はせず、食べた分は魔力に変換される。
分身がたくさんいると、色んな作業がさくさく進むので、一ヶ月、分身三十人を出したままで、それぞれ交替で従業員たちの先生をやったり、納品依頼を受けてみたり、街に転移して食べ歩いたり観光したりで生活してみた所、魔力が尽きて消えそうになった分身も出た。
ダンジョン内だからこそ、分身自身でも魔力を吸収して保っていられたらしい。
それが分かった所で分身を解除した。
中々有意義な実験だった。
――――――――――――――――――――――――――――――
新作☆「めがーね?MEガーね?メがーNE?」
https://kakuyomu.jp/works/16818093074417686883/episodes/16818093074417749783
――――――――――――――――――――――――――――――
4コマ漫画更新!
https://kakuyomu.jp/users/goronyan55/news/16818093074538204303
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます