第13話 気にしないでが引っかかった

「なんですか?私の腕を掴んでその手の人差し指で触って。変態ですか?」


「違う違うー、誤解だぜー」


「誤解ね。わかりました。で、なんですか?」


危なかったー

マジで危なかったー

気を取り直してー


「行春はこれで納得するのかー?自分のいない薔薇バラがステージに立つんだぞー」


「みんなでたくさん練習したんです。それが台無しになるくらいならって、きっと思ってますよ。」


りょーは萌乃のこんな暗い表情は今まで見たことがなかった。


「ごめんなー、余計なこと言ったよなー」


りょーは萌乃の表情を伺ったが、大丈夫そうで一安心。


「いいえ。気にしないでください。」


「女のそのセリフは気にしてって意味だって聞いたことあるような、ないようなー」


「確かにそういう人もいるよ!ボリ、ボリ、」


陽はみんなで話をしている最中にせんべいを食べていた。

気にしないようにしていたが、ツッコミをする人がいなかった。

だが、急に、今になって、口に出したくなった。


「なんでお菓子食べとるー」


りょーの言葉に笑いが止まらない陽。


「さすが!気づいてくれると思ってたよ!りょーくんやるじゃん!」


「だろー、アハハハハー」

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