第12話 陽ちゃん

ガチャ


「萌乃ちゃん!りょーくん連れてきてくれたんだ!ありがとう!」


「いえいえ。お礼なんていいですよ。」


「久しぶりだね!りょーくん!」


「そうだなー、ようちゃんは相変わらずテンション高いなー」


「でしょ!」


三嶋みしまようは行春の彼女で、りょーとは中学からの友人であり、りょーにとっては唯一の女友達だ。


「行春は大丈夫なのかー?」


「今保健室で眠ってる所だよ!ちょっと熱があるみたいだったの!」


「まじかー」


「まじまじ!」


ガシッ


話しているりょーと陽の肩を掴んだ萌乃。


「時間も惜しいので曲について話しましょう。」


そう言った萌乃の表情は笑っているようで笑っていなかった。



「今回はこの3曲かー」


「いけますか?」


萌乃が俺の方をじっと見てくる。

その顔がなんとも言えない。


「行けるぜー」


「良かったです。それなら早速練習始めましょう。」


ガシッ


りょーが萌乃の腕を掴んだ。

なんか腕柔らかいー!?

まあ女子の腕ってこんなもんかー

それにしてもスベスベ肌だなー

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