第8話 女子言葉開始
「あとね!昨日弟が鏡の前でポーズとってた所見ちゃってさ!バレないようにその場から立ち去ったんだけど、面白すぎて部屋戻って腹抱えて笑ったんだよ!アハハハハ!」
「僕のこと笑いすぎじゃん。」
だんはそう言うと顔を真っ赤にした。
「フッ」
まさは鼻で笑った。
他のメンバーは笑いをこらえている様子だ。
「ごめん俺トイレ行ってくるー」
そう言って走って部屋を出たりょー。
トイレの中から笑い声が聞こえるのは気のせいではないだろう。
「ゆきんこどうかした?。」
「何でも、ないよ、」
ゆきんこは真顔を保とうとしていたようだが、その顔は今にも崩れそうだった。
ガチャ
りょーがトイレから帰ってきた。
「よし、みんなさっきの会話みたいに女子っぽい話し方で会話してみようー」
りょーの言葉にみんなの目つきが変わった。
気合の入った目だ。
「今日だんがお腹痛いってトイレ駆け込んだじゃん」
最初に会話を始めたのはまさだった。
みんながまさに視線を移した。
「アレ実は私があげたお腹が緩くなるガムのせいなのアハハハハ」
だんはお腹の痛さがまさのせいだと知って顔をムッとさせた。
他のメンバーも笑っていて余計にムッとした。
「酷いわね。最低よ。」
「まあまあ落ち着いてよー」
りょーはだんの方をポンと叩いた。
「そうだよ、お腹痛くさせたのだって何か意味があってしたことなのかもしれないよ、」
ゆきんこはそう言うとだんに背を向け声を出さずに笑った。
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