第81話 組合長の懸念事項 ※キャラ等紹介

 一行は外に出て、警戒態勢を取る。


 狼人族のナッツが各馬車に伝令に向かい、馬車の並びを組合長のボロ馬車を先頭に変え、真ん中に領主家の馬車、後ろに神官長の馬車の順にし隊列を組む。

 

 そのまま隊は進んでいくが、盗賊は襲ってくる気配はなかった。

 じっとこちらを見て観察しているような気配は、常に感じるのではあるが……。


『この通信の中にだけ、私の懸念を伝えておく。ラスルトは出発前に「警備兵」の人員を変えている。』

 組合長が、通信を通して丈二達に伝える。


『また、盗賊の動きも怪しいと思っている。これだけ冒険者がいれば、盗賊が襲ってくることはまずなく、逆に、目立たないように、その場を離れることの方が多い。それなのに、「見張りを数人」立てているのが気になる。』


《私も、その懸念はあると思います。見張りの位置取りが絶妙過ぎる気がします。》

 サニーも、改めて見張りと思われる盗賊の位置を確認して言う。


『いまだに、君の狼が話すことが信じられない…な。』


《いろいろありまして…私としてはご主人様とだけ話せればよいのですが…。》

『はぁ?何が言いたいんすか?』

《ひぃいい。》

 サニーの本音に、ケレースが反応する。


『そんなコントはいらへんので、警戒だけは怠らんどいてや。そろそろ、このゾーン抜けるで?』


 静かにこちらを伺う盗賊の影を横目に隊は進み、暫くして『深き闇の森林』の手前、美食の平原と称される「デリシス平原」に、何事もなく一行は到着した。


 ※ ※ ※ ※


【この時点での各レベル等】※情報交換した内容


[丈二] 人間(異世界人)

 職業:スカウトレンジャー、LV:10

 戦闘スタイル:棍による打撃、気配感知・遮断系、地魔法初級


[サニー] 丈二の従魔

 種族:ホワイトウルフ亜種[銀](風聖霊の分体)、LV:11

 戦闘スタイル:牙と爪攻撃、水銀毒、風・水魔法中級、氷魔法初級、風探知


[カットレイ] 竜人族

 職業:指揮官、LV:11

 戦闘スタイル:盾+片手剣(場合によってタンク)、指揮者、火魔法初級


[ミッツ] 虎人族

 職業:重戦士、LV:9

 戦闘スタイル:盾タンク+斧、重い攻撃とノックバックでひるます


[ナッツ] 狼人族

 職業:槍使い、LV:9

 戦闘スタイル:槍、素早い攻撃と暗いところでの戦闘が得意、風魔法初級


[アビー] 犬人族

 職業:調合師、LV:8

 戦闘スタイル:スティング+短刀、調合でアイテム支援、火魔法初級


[エイディ] エルフ

 職業:農耕狩人、LV:8

 戦闘スタイル:弓、風・水魔法中級、食料調達


※ ※ ※ ※


[ベンジー] 人間

 職業:吟遊詩人、LV:12

 戦闘スタイル:音楽支援、光魔法中級(回復・浄化)、火魔法初級

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