第141話 お肉を焼きそばにすべきでした
賞味期限二日切れの大きいパックのお肉があったんです。おそらく豚さんで細切れ肉?切り落とし肉?なんて書いてあったかな。
わたしは、冷蔵庫に焼きそばの麺があるのに気づいていましたが。
浅慮。
ほんと浅慮。
ただフライパンで焼いて、冷凍ほうれん草を混ぜ、エバラ焼肉のタレでじゅわじゅわ染み込ませて肉野菜炒めです。ピーマンなどはありませんでした。
買ってこいや、それくらい。
しかし、お風呂、三日入れてないかも。
潔癖症の方からしたら「お願いだから近寄らないで!!ましてや料理なんてもってのほか!!!!!」だと思います。
しかし、傷む前に丸っこくして小分け冷凍か、そのままパックごと冷凍どーん!か、思い切って使うか。しなければ!使命感。一日中寝ていた明鏡止水に火がついたのです。
でも、キャベツ🥬もいたかもしれない。あとから思います。あと中途半端な大根とかあった。
普段から料理というものは。
していないと食材の活用を忘れる。
もしくは貧乏だと、ほんとに肉は肉、野菜は野菜、と、皿に単品で出てくる。
父の家がそうだったらしいです。
ちなみに父方の祖父母のこと、叔母のこと、わたしは憎んでいた人生の季節があるのですが。
これも書いて消化してもいいな、なんて。
いまは適当冷凍ほうれん草肉炒めさんの話に戻りましょう。
焼きそばにすればよかった、と後悔しています。
たぶん、掛け算した方が母も喜んだことでしょう。
食材の掛け算。肉✖️焼きそばの素。
しかし、あんなにあった肉も焼けば縮まる。
べつに、今から残りを焼きそばに活用しちゃえば?
……できなくもありません。水で洗ったり、お湯で煮てタレの味を出して再利用するのです。
なぜそこまでするか。
そのままのタレ染み込みお肉さんを使った焼きそばをもし父が食べた場合、
「いつもと違う!」
「ふつうのもん、作ればいいんだよ!」
「おれんちはお前(母)みたいな家じゃなかったんだよ!」
……昔の父は劣等感と疎外感のまぜまぜしたものを抱えてアラハバキみたいな時代があったのです。
父のおとうさん、まあわたしの祖父はお肉を捌く人でした。そして、一家の棲家はそのお肉を捌く精肉?といいますか、その上の階。仕事場の二階を貸してもらっていたそうです。トイレは和式だし。
謎の部屋の片側にだけ高い位置に設けられた棚は日本人形が置いてあるし。お絵描き用の裏の白いチラシは取ってあるし、ストーブで薬缶で湯を沸かし、餅を焼き。そして祖父母はヘビースモーカー。部屋は三つもあったけど一部屋はネズミが出るので封印。当時もそんな状況だったんだと思います。
可哀想なことに、休みの日でも一階から祖父への同僚の愚痴が床から外から聞こえてくる。
それに黙ってられない、というか当然怒る祖父は休みなのに出勤して現場で睨みをきかせ、なんだかもう、三百六十五連勤というか、一年中出ていたようではあるのです。そして救いなのは美味いものを食べるのが好き。舌が肥えていたらしいです。パチンコもやったそうで、小さい父がガチャガチャやインベーダーをやるために千円抜いても気づかなかったらしいです。
親の財布からお金を抜き取るとは!
驚きです。ちなみにわたしは万引き一つ、神に誓ってしたことありません。
違うお店で買った物を次のお店でバーコードスキャンさせてと詰め寄られたことは小さい頃の記憶で覚えているのですが。
こういうのに限って結末を覚えていません。
母、どうやって当時切り抜けたんだ?
普通に「違うお店で買った物です」で通ったんだろうか。当時のバーコードの事情も知らないので、商品が全部同じコードでお店に流通していたらお金を二重に払ったんじゃないのか。
ごめんよ、オカン、わたしが前の店で買ったお菓子を手に持っていたばかりに。ほんと、どうなったんだ?
ちなみに話は父の家庭の話に戻って祖母の働きぶり。脚に何個ものタコがありました。どうしてこんなところに何個もタコができるんだろう?
小さい頃不思議でした。
ちなみに祖母のお仕事は焼き鳥屋さん。自分でタレを作ってすり鉢とごますりの棒と共にタレを自宅に保管してありました。小さいながらにあのすり鉢が並んでいる様子は不思議な物を見る感覚でしたが。
大人になった今となっては、
(あのタレ、一度でいいから味見させて欲しかった!)
です。
そんなこんなで父の小さい頃は学校から帰っても親がおらず、温かいご飯が出てくることはなかったらしいです。
そんな経験から食に対しての荒ぶる神が誕生してしまったのです。
父のモットー。
モツ煮はモツのみ。
こんにゃく、にんじん、大根はいらない💢
うどんでいうところの素うどんのような物を要求される母。
しかも、父の好みに味を合わせないと
「普通に作れ!」
です。
世の中色んな食材の入ったいろんなレシピの美味しいモツ煮があるからわたしはそれを食べたいです。
一度チャレンジしてネットのレシピ通りのモツ煮を作ったら母が美味しいと思う!と言ってくれました。
しかし、父は「いつもと違う味」は認めません。食べません。
むずかしいです、まあ。合わせることないんですけどね。自分用だし。
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