第135話 朝起きてすぐ思い出すことのいくつか

朝起きて、昔の光景が頭の中に流れる日があります。太っちょのお局の機嫌を伺っていたこととか最低です。今朝の思い出は。「ババアじゃん」です。

あれは、二十四歳くらいでしょうか。マスク生活なんてまだなんの蝶の羽ばたきすら感じない夜。時勢。私は上はパーカー。下は短いボトムスでスマホをいじって買い物に行く途中でした。

すると、向こうから自転車に乗った男子高校生が三人やってきて、通り過ぎ際、


「ババアじゃん」


発言していきました。

耳と、その男子高校生を疑いました。

いや、そっちは

もしかして同じ学年とかの女子高生と夜中に会えるかも!ウキウキ!

だったかもしれませんけどね!

二十代前半だって足は出すし、すっぴんだってあり得ますよ!

でも、通りすがりの女性にババアじゃん、は酷すぎると思うんです!

ましてやこちらは通信制の高校で一番美しい十代を孤独に過ごして、二十代でやっと化粧品が買えるくらいに病気やパートと折り合いをつけ始めた一人の人間だって言うのに!!


自転車に乗った、あのときのDKゆるせねえ。

時代は令和だ。こっちもBBAになって格があがったからあの時のこと謝れや!!

わたしがクレーマーだったらお宅高校の男子学生に通行の際BBAと言われて気分が悪かったです、って言ってるからな!ちょっと、頭悪いんでどこ校の制服かわかんなかったけど。

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