第37話 頭に「ゆ」のつく映画といえば?

 私の実家では、以前に犬を飼っていました。


 エサを用意して、持ってきてくれるウチの母には懐いていたのですが、私がたまにエサを持っていくと、歯をむき出しにして猛烈に吠えられました。

 そんな経験もあり、私はどちらかといえば、犬派ではなく猫派なのですが……これから紹介するのは、犬に関係した映画。


 頭に「ゆ」のつく映画、「ユー・ラッキー・ドッグ/名犬ラッキーは大富豪?」です。


 原題は「YOU LUCKY DOG」。


 1998年のアメリカ映画。監督はポール・シュナイダー、出演はカーク・キャメロン、チェルシー・ノーブル、ジョン・デ・ランシー、クリストファー・ローガン、ジェームズ・アヴェリー、グランヴィル・ヴァン・デューセンほか。


 人の心は読めないが、犬の心が読める超能力を持っているモーガン。


 その超能力を使って「ドッグ・セラピー」という、一風変わった「犬専門のセラピスト」をしていましたが、商売は閑古鳥状態。


 ある日、「うちの犬のラッキーが、最近元気がないんだ。診てやってくれ」と、大富豪のウィンザー氏に依頼されました。


 ラッキーに実際に会ってみると、モーガンには犬の心の声が聞こえます。


「ウィンザー氏の遺産を狙う三人の身内が、怪しい行動をしているので、心配している……?」


 と言い当てたモーガン。

 ウィンザー氏から信用を得て、多額の謝礼を受け取りました。


 数日後、弁護士から「ウィンザー氏が死に、遺書をあなたに残したので、屋敷に来て欲しい」と呼ばれました。


 遺書には、ウィンザー氏の財産を狙っていた甥や姪には遺産を分配せず「愛犬のラッキーと、それを管理してくれるモーガンに、全ての財産を譲る」とありました。なんと6400万ドル。条件は、ラッキーの世話をすること、屋敷に住むこと。


 いきなりモーガンは、大富豪の仲間入りです。


 しかし、ラッキーとの“波長”が合うせいなのか、超能力の暴走でラッキーと精神が同調し、急に四つん這いで走り出したかと思ったら、庭に穴を掘って骨を埋めたり、クッションを噛みちぎったり、自分でも制御できない奇妙な行動をとるモーガン。


 屋敷のメイドたちは気味悪がって、仕事を辞めて出て行ってしまいました。最後まで残ったのは、運転手だけ。


 一方、屋敷を追い出されて文無しになった三人の甥や姪たちは、なんとか遺産を横取りしようとあの手この手で企むのですが……という、動物を主軸に据えたファミリー向けのドタバタコメディです。内容も89分という短さで、サクッと気軽に見ることが出来ます。


 刺激の強いホラー映画などを見ていると、こういう「ほのぼの系、ベタなファミリー向け作品」って、薄味に感じることもあるのですが、基本をきっちり抑えてあるベーシックで手堅い作りとなっています。

 話の構成とか、脇役の立て方とか、原点に立ち戻って、勉強のために「ベタな」作品を無邪気に見てみるのも良いかもしれません。


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