第31話 頭に「ま」のつく映画といえば?

 株や信託など、個人の資産運用って、知識がないと「元本を割る可能性もあるんでしょ? 損するんじゃないの?」と、その金額が上下することに対して不安な面もあります。


 それで損したとしても、それは「信じた自分の責任」であり、逆恨みしないように……と自戒を込めつつ、株で大損した男が犯罪に走る作品。頭に「ま」のつく映画、「マネーモンスター」を紹介します。


 2016年のアメリカ映画。監督はジョディ・フォスター、出演はジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジャック・オコンネル、ドミニク・ウェスト、カトリーナ・バルフ、ジャンカルロ・エスポジートほか。


 アメリカで大人気、財テクを教えるテレビ番組「マネーモンスター」で司会を務める男、リー・ゲイツ。


 リーは、「ウォール街の魔術師」と称され、番組で扱った知識や情報を生かし、自らも運用していました。

 巧みな話術で、株価の予想や視聴者へのアドバイスを紹介する番組内容は、非常に反響が大きく、「おかげで儲かったよ!」と感謝されることも。

 リー自身もこの仕事を楽しんで、ノリノリで司会業に精を出しています。


 ある日、株式上場したばかりの「アイビス社」の株を使った資産運用の方法を番組で取り上げたのですが、数日後に「アイビス社」の株が大暴落。膨大な損失を出してしまいました。

「アイビス社」のCEOによると、コンピュータのアルゴリズムによる株取引が暴走した結果の失敗、ということでしたが……。


 番組で、「アイビス社」のCEO・ウォルトを招いて、今回の件について生放送でインタビューする企画が立てられました。

 ですが、当日にウォルトは飛行機のトラブルで番組に出演できず、代わりに「アイビス社」の広報担当・ダイアンが出演し、インタビューに応えることになります。


 ダイアンをスタジオに入れて、生放送がスタート。

 プロデューサーのパティとの事前打ち合わせの指示を無視して、テンションの高いリーはアドリブ全開、突っ込んだ質問をダイアンにぶつけていきます。


 番組を進める最中、謎の男がスタジオに闖入。


 番組スタッフも、観ている視聴者も、派手なことが好きな性格のリーの「ヤラセ」演出かと疑いましたが、男は銃を取り出し、発砲。

 突如として、スタジオは緊張に包まれます。


 男は、リーを人質にとって、爆弾つきのベストをリーの身体に巻き付けました。

 男の手には、いつでも爆弾を爆発させられる起爆スイッチが握られています。

 そして、「このまま放送を続けろ」と、生放送の継続を主張するのです。


 プロデューサー・パティは、リーの安全を考え、生放送を続けるように指示を出しました。


 男の名は、カイル。

「番組を信じてアイビス社に投資したが、株価は暴落した。有り金すべて失ったせいで、俺は彼女に逃げられた。きっと裏に何かある。真実を明らかにしろ」

 それがカイルの要求でした。


 人質となったリーも、番組関係者も「投資には絶対はないし、それは負けた人間の八つ当たりじゃないか……」とカイルの主張に困惑しますが、このままではリーの命が危険です。カイルの機嫌ひとつで、いつ爆弾を爆発させるか分かりません。


 回答を見つけるため、パティたちが「アイビス社」のコンピュータのアルゴリズム暴走の事件を調査し始めると、他国も巻き込んだ“ある陰謀”が徐々に明らかになっていき、カイルの言うとおり「裏に何かある」主張が「真実」だと分かっていくのです……。


 金融暴落を題材としたサスペンス作品です。


 人気番組の生放送中に乱入し、司会者に爆弾つきベストを着せて、起爆装置を手にし、「俺の言うことを聞け! 放送を中断するな!」という前半部は非常に盛り上がります。その後、カイルの裏事情が分かると、なんだか同情してしまうし、終盤のシーンでは切なくなって、なんかやりきれないよなあ、という気持ちになっちゃいます。


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