第24話 頭に「ね」のつく映画といえば?
頭に「ね」のつく映画ってなんだろう、と考えた時、一番最初にひらめいたのは「ネバーエンディングストーリー」でした。
エンヤの曲がかかって、白い毛で覆われてフサフサの竜・ファルコンに乗って、少年が「本の中の世界」を旅する物語……確か「モモ」と同じくミヒャエル・エンデが原作で、学校の図書館に原作小説『はてしない物語』があって、読んだんだよなあ……とか記憶が蘇りました。
でも今回は「ネバーエンディングストーリー」ではなく、あえて別の作品にします。
頭に「ね」のつく映画、紹介するのは「ねらわれた学園」です。
原作は眉村卓が1973年に発表した小説。学園を舞台として、超能力で生徒たちを支配する生徒会長と、超能力に目覚めた主人公が戦う……という「学園異能バトル」設定は少年少女の心を掴むのか、テレビドラマ・映画など何度もリメイクされていますが、今回紹介するのは1981年の角川映画版。
監督は大林宣彦、出演は薬師丸ひろ子、高柳良一、長谷川真砂美、峰岸徹、手塚真、三浦浩一ほか。
主題歌は、松任谷由実の「守ってあげたい」でした。
あらすじはこんな感じ。
女子高生の三田村由香は、剣道部に所属する幼馴染の関耕児と共に、高校に通っていました。
由香はある日、子供がトラックに轢かれそうになる場面に遭遇します。
「あぶない!」と思った次の瞬間、時間が巻き戻ったかのように、トラックが猛烈な勢いで後退し、子供との接触事故は回避できました。
それは由香が「超能力」に目覚めた瞬間でもありました。
由香や耕児は、賑やかで楽しい学校生活を送っていました。
耕児が所属している剣道部の大会でも、由香が「勝って」と祈ると、なぜか次々と耕児の攻撃が当たり、不思議な勝ち方をします。
由香は自分の「超能力」を不気味に思い始めました。
そんな中、由香に「星の魔王子」という謎の人物が接触してきました。
(名前もあやしいですが、外見もキンキラ輝く全身タイツの峰岸徹なので、すごく変態っぽいです)
「星の魔王子」は、由香が超能力を使って耕児を勝たせたことを知っていました。向こうも、超能力があるので、それが分かったようです。
そして、高見沢みちるという一人の転校生がやってきて、生徒会の会長に就任してから、学校の雰囲気は一変。
みちるは、超能力を使い、生徒会を支配し、反対する者たちを抑えつけていったのです。「学校の風紀を取り締まる」という名目で、軍隊のようなパトロール委員を新設し、実質的に学校を支配し始めました。
少しでも校則から外れた行動をしている生徒を連行し、帰ってきた生徒たちは、素行不良から更生してはいましたが、魂が抜けて感情が消えてしまったかのようでした。ぼんやりとしたゾンビみたいな生徒たちが増えていく中、教師たちはみちるを褒めます。
「やりすぎではないか」と異を唱えた教師は、みちるの超能力で交通事故に遭い、しばらく入院させられるという目に遭うのでした。
裏では、「星の魔王子」と、高見沢みちるが繋がっており、超能力で地球を支配しようと企んでいたのでした。
由香は、超能力を使って戦いを挑むのですが……というSF青春ファンタジーです。
とにかく、主演の薬師丸ひろ子がとにかく可愛く撮られていて、それだけでも映画業界において「アイドル映画の嚆矢」とされています。
大林宣彦監督は、この作品の後に「転校生」や「時をかける少女」といった“尾道三部作”を発表しますが、この頃はシュールでサイケデリックな合成の演出などがひときわ目立ちます(クライマックスの薬師丸ひろ子と峰岸徹の「ある種、珍妙な超能力のラストバトル」など)。
ちなみに、原作者の眉村卓先生も、学校の校長先生役で出演していたりします。
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