第23話 頭に「ぬ」のつく映画といえば?
「ぬ」! ぬぬぬぬ!
私は見た映画タイトルをエクセルで管理していて、年に百本以上観るので(映画館よりは、ケーブルテレビの映画専門チャンネルが多いですが)、エッセイを書くにしてもストックがあると思っていたのですが……見切り発車で始めてしまった五十音順の映画エッセイ、頭に「ぬ」がつく映画は、ホントーに無い!
困った!
それでも根気強く探していたら、1本だけありました。
頭に「ぬ」がつく映画、今回は「ヌイグルマーZ」を紹介します。
2014年の邦画。監督は井口昇、出演は中川翔子、武田梨奈、市道真央、北原帆夏、平岩紙、斎藤工、猫ひろし、阿部サダヲ(声)、山寺宏一(声)ほか。
原作は、大槻ケンヂの小説『縫製人間ヌイグルマー』を元とした楽曲「戦え!ヌイグルマー」がベース。
で、大槻ケンヂのバンド「特撮」が本作の音楽・挿入歌も担当してます。
(エンディングでは「自分の書いた小説が映画化した」というメタな内容の歌詞の「映画化(シネマタイズ)」という歌を歌っています)
あらすじはこんな感じ。
幼い日の誕生日に、母から手作りの「ピンクのテディベア」をプレゼントされた女の子・響子。
ブーたれたようなその顔から、テディベアには「ブースケ」と名づけました。
しかしそのテディベア・ブースケには、はるか彼方の惑星・ドムホから放浪してきた綿状生命体が寄生していたのです!
ある日に、身内を亡くして独りぼっちになっていた親戚の夢子が上京してきました。
何をしてもダメな夢子は、「ダメ子」と呼ばれています。
響子の誕生日のお祝いに、母と響子、ダメ子の三人でレストランで食事をしていると、いきなりゾンビの大群が店内に流れ込んできました。
ゾンビになった警官が拳銃を手にし、発砲。銃弾から娘を守ろうと、身を挺して楯となった響子の母は死んでしまいます。
顔を伏せて、直接その光景を見ていなかった響子は、母は「ダメ子をかばって死んだのだ」と誤解して、ダメ子を激しく恨むようになってしまいました。
ゾンビの集団は、惑星ドムホからブースケと共に地球にやってきた綿状生命体、デ・パルザの悪の計画の一部だったのです。
デ・パルザはタケシという男に寄生し、タケシの悪の感情に触れ、感化されて人間を憎んでいました。 “チャーリー”と名乗り、部下を集めて、ゾンビ化ガスで人々をゾンビに変えていきます。
成長して女子高生になった響子は、何かと世話を焼いてくれるダメ子と共に暮らしていましたが、母の死の原因である(と響子が思い込んでいる)ダメ子に八つ当たりしてばかり。
そんな中、襲い掛かってきたゾンビから、響子を守るためにダメ子は負傷してしまいます。
ブースケは共鳴し、ダメ子と合体をすることで彼女を助けようとしました。
ダメ子はぬいぐるみに「可愛らしさとやわらかさ、それと力強さ」を強く求めた結果、ピンク色のぬいぐるみ戦士「ヌイグルマー」として生まれ変わりました。
圧倒的な戦闘能力でゾンビを倒し、響子を守るヌイグルマー。
響子は、ヌイグルマーの正体がダメ子と知らず、その強さと美しさから憧れを抱くのです……。
愉快でおバカで低予算な(笑)世界観を、数多くこの世に送り出している井口昇監督の、珍妙なアクションコメディ作品です。
この監督の作品のラインナップとしては、左腕にマシンガンを装着したセーラー服女子高生が忍者と戦う「片腕マシンガール」、からくり殺人芸者と戦うロボット芸者のバトルを描く「ロボゲイシャ」、ウンコネタやおならネタ満載の下品なゾンビ映画「ゾンビアス」、意識を持った殺人寿司が人間を襲う「デッド寿司」などがあります。
この監督の作品を見慣れていると、この「ヌイグルマーZ」も良い意味で「安定路線」なんですけどね。
夢子(ダメ子)を演じているのが中川翔子、変身して「ヌイグルマー」になると、キャストが武田梨奈になり、顔が出ているピンクのぬいぐるみ姿でありながらキレッキレのアクションを見せてくれます。
響子は、チャーリーの部下で、男装イケメンの超能力者・キルビリーを見て、「ヌイグルマーそっくり!」と驚きます。
敵でありながら、「この人が私を守ってくれたヌイグルマー…?」と、ときめいたりします。
(そりゃそーだ、敵のキル・ビリーは、武田梨奈の二役だもの!)
ま、いつもの井口節なんで過剰な期待はしちゃダメで(笑)、ゆるい雰囲気とゆるい空気をお楽しみください、という作品。
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