第22話 頭に「に」のつく映画といえば?
2010年に放送されていた「スーパー戦隊」シリーズ、「天装戦隊ゴセイジャー」。
面白い隠しネタとして、敵怪人の名前に、映画のタイトルをもじって盛り込んでありました。
初期の敵幹部の名前が、デレプタ、ブレドラン、ターゲイト……「プレデター」に「ブレードランナー」に「スターゲイト」。
通常の怪人の名前でも、ザルワック、ユウゼイクス、マズアータ、ヒドウ、イリアン、パワードダーク……「猿の惑星」「遊星からの物体X」「マーズアタック」「ヒドゥン」「エイリアン」「ハワード・ザ・ダック」など。
元ネタを探るのも面白かった記憶があります。
(こういうラインナップの中で、「ハワード・ザ・ダック」を持ってくるあたり好感が持てます。まあ、あれもSF作品だし……)
中でも、第11話に登場した怪人・ヨークババンガーの元ネタが分からず、なんだろうと首をかしげていたのですが、それが、これから取り上げる作品。
頭に「に」のつく映画、「ニューヨーク東8番街の奇跡」を紹介します。
原題は「batteries not included」。日本語だと「電池は入っていません」という意味ですね。
1987年のアメリカ映画。監督はマシュー・ロビンス、出演はジェシカ・タンディ、ヒューム・クローニン、フランク・マクレイほか。製作総指揮に、スティーブン・スピルバーグも参加しています。
再開発の波が押し寄せ、古い建物を取り壊して、ビルを建てようと計画されている、1980年代のニューヨークの東8番街が舞台。
古いアパートの一階で、ハンバーガー店を勤める住人のフランク、その妻で認知症気味のフェイら夫婦は、チンピラのカルロスから強引に立ち退きを迫られていましたが、ここに住み続けたいと願っていました。
他に残っているのは、元・ボクサーの無口な大男ハリー、ミュージシャンの恋人を待ち続ける妊婦マリサ、売れない画家のメイソン。
住人は全部で5人だけ。
不動産会社の社長は、カルロスを急かして、住人を追い出させようとしています。
アパートが空っぽになったら、さっさと取り壊してビルを建てるつもりなのです。
ある日の夜、空から輝くUFOが現れます。
フリスビーほどの大きさの金属の円盤にしか見えませんが、「彼ら」は自分の意志を持ち、空を飛ぶ、不思議な生命体。
目のようなライトもついています。
小さなアームを出して物を持ち上げたり、熱線で切断したり、金属製品を分解して体内に取り込んだり、コンセントで充電したり……夫婦と思われるふたつのUFOの間には、小皿ほどの小さなUFOの子供たちも生まれました。
生まれた双子UFOに「フロッツァム」と「ジェッツァム」と名付け、“子育て”に協力することにした住人たち。
三番目に生まれたUFOは死産だったのか、動きませんでしたが、手先が器用なハリーが分解して、部品を修理し、蘇らせました。
落ち込んでいた夫婦のUFOも、蘇った三番目の子供と一緒に、嬉しそうに飛び回っています。
アパートの屋上にある、使われていないハト小屋に住み着くことになった不思議なUFOたちと、アパートの住人たちの交流が始まり、UFOたちは立ち退きからアパートの住人たちを守ろうとするのです……。
1980年当時のCG合成技術(ちょっとブレて違和感あるあたり)が逆に懐かしく思えてしまう、ハートウォーミングなSF作品です。
中盤、カルロスが夫婦UFOをぶちのめして壊した後、子供UFOたちが親の姿を求めて、車のタイヤホイールあたりに群がるあたりが切ないですよね……。
『コロコロコミック・1988年スーパー新年増刊号』にて、コミカライズもされていたようです。
「ボンボン」派ではなく「コロコロ」派で、増刊号も買っていたタイプなのに、全然記憶にないなあ……。
ちなみに、有名なホラー映画で「Batteries not Included」というタイトルを使おうと予定していたのですが、この作品が先に製作・公開されて、タイトルが被ってしまうため変更した作品があるそうです。
「電池が入っていないのに……(動くのはなぜ?)」とゾクリとくるシーンが有名な、あの映画……。
殺人鬼の魂が入った人形が事件を起こす「チャイルド・プレイ」がそれです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます