第14話 頭に「せ」のつく映画といえば?

「6つ子」と言えば、世代的に赤塚不二夫の「おそ松くん」を思い出したりしますが、今回紹介するのは、「6つ子」の男の子ではなく、それにプラスワンで「7つ子」、そして7人姉妹が主人公の物語……。


 頭に「せ」のつく映画、今回は「セブン・シスターズ」を紹介します。

 

 原題は「What Happened to Monday」。

 

 2017年のイギリス、アメリカ、フランス、ベルギーの合作映画。

 監督はトミー・ウィルコラ、出演はノオミ・ラパス、グレン・クローズ、ウィレム・デフォーほか。


 21世紀半ばの近未来。

 

 地球は、異常気象と人口過剰によって資源が減少し、戦争や難民問題が繰り返されたことによって主要国が滅び、「ヨーロッパ連邦」が新たな超大国として君臨していました。


 さらに遺伝子組み換え作物の影響による多生児の増加により、強制的な人口抑制が行われるようになっています。

 それは、2人目以降の子供が生まれた場合、「児童分配局」によって親から引き離され、枯渇した地球の資源が回復する日まで、冷凍保存される……という「1人っ子政策」でした。


 そんな中、セットマンの家で「7つ子」の姉妹が誕生します。

 母親は赤ん坊を産んだ後、死亡。


 政府のやり方に反発を覚えていた、祖父のテレンス・セットマンは、周囲には秘密にしたまま、7人全員を育てることに決めました。


 マンデー、チューズデー、ウェンズデー、サーズデー、フライデー、サタデー、サンデーと、月曜日から日曜日までの各曜日の名前を付けられた彼女たち7人は、表向きには「カレン・セットマン」というひとりの人物を演じます。

 それぞれが週1日だけ外出し、カメラ付きメガネの映像を皆で見て情報を共有し、7人で1人の人格となることで、児童分配局を欺いてきたのですが……。


 しかし、ある日、30歳になっていた彼女たち7姉妹の長女・マンデーが外出したまま、夜になっても帰宅しないという事態が発生。

 これにより、7姉妹の日常が狂い始めていくのでした……。


「児童分配局」により強制的に1人っ子政策を強いる世界のSFアクション作品。


 マンデー失踪の原因を探るため、次女のチューズデーは、何事もないかのように「カレン・セットマン」を演じ、出勤します。


「昨日、私って何してたっけ? 具合が悪かったせいか、よく覚えてないの」と周囲の人に聞いて回るのですが、職場に児童分配局の職員がやってきて、チューズデーは連行されてしまいます。

 どうやら、児童分配局には、既に7つ子の存在がバレていて、マークされていたらしい!


 自宅に突入してきた児童分配局の手から逃げる姉妹たち。


 撃たれた銃弾が、サンデーに当たって死亡!(展開早い)

 逃げてビルからビルに飛び移る最中、銃で撃たれてウェンズデーも死亡!(次々死ぬ)


 一方、やたら馴れ馴れしく接近してくる男・エイドリアンから情報を聞き出すため、サタデーはカレン・セットマンのフリをして彼とベッドを共にします。

 エイドリアンは、サタデーのことを「自分の恋人のカレン」だと思い込んでいます。

 というか、マンデーは他の6人の姉妹に隠れて、男とこっそり付き合っていたわけですな(しかもエイドリアンは児童分配局の職員)。


 彼のパソコンからハッキングして情報を探るサタデー。

 だが、裏切りがバレて他の職員から撃たれてサタデーも死亡!(「バトル・ロワイアル」並に死んでいきます。残り4人)


 フライデーは自宅のパソコンから、一家に関するデータや児童分配局の陰謀に関する物などをサーズデーの端末に送信。


 自宅に攻め込んできた児童分配局の職員を巻き込むカタチで、ガス爆発を起こしてフライデーは自爆。残り3人! すげーハイペース!


 そんな感じで、残りのサーズデー、既に連行されていたチューズデーたちで協力して、マンデー失踪の真相と、政府や児童分配局が隠していた秘密を暴く……というSF作品となっています。


 ベッドシーンや、倫理的にヤバめなシーンもあるのでR-15指定にはなっています。


 姉妹全員、7人分をひとりで演じ分けるノオミ・ラパスが頑張ってます。

 個人的に好きなのはITオタクなフライデーですかね。姉妹は各自個性豊かです。


 小さい頃に、マンデーが外で遊んでいて、右手の小指の先を切断するという大ケガを負うんですが、祖父のテレンスは「お前たちは7人で1人なんだ」と、身体的特徴を“揃える”ために、残り6人の指も同じように切断するというのが、見ていてすごーく怖かったです。


 そして、テレンスは、夜中にひとり、罪悪感から「すまない、すまない……」とスンスンと泣いているのです。

 テレンスを演じているのが、悪役ばっかりやってるウィレム・デフォーですからね、妙に怖いんですよ、このシーン。

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