第4話 頭に「え」のつく映画といえば? 

「俺ってなにも達成できないボンクラだよなあ」という男が、特殊なキーワードで覚醒し、抜群の戦闘力を発揮するという、ボンクラ男にとっては憧れの設定……そんな映画を紹介します。


 頭に「え」のつく映画、「エージェント・ウルトラ」です。


 原題は「American Ultra」。


 2015年のアメリカ映画。監督はニマ・ヌリザデ、出演はジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、トファー・グレイス、コニー・ブリットン、ウォルトン・ゴギンズ、ジョン・レグイザモ、ビル・プルマン、トニー・ヘイルほか。


 コンビニでアルバイトをしている青年、マイクは、日々をのらりくらりと過ごすダメ男。

 そんな彼にも恋人のフィービーがいました。

 彼女に対して、マイクはそれなりにプロポーズも考え、指輪まで準備しているのですが、タイミングが掴めません。


 ある夜、マイクがコンビニの店番をしていたところ、謎の女性客・ヴィクトリアが訪れます。そして、レジに立っていたマイクに向かって、


「戦車は進む。マンデルブロシュー号が動く。コーラスは破られ、我々はボールを受け止める……」


 と暗号めいた意味不明の言葉を発して立ち去りました。


 その瞬間、眠っていた能力がマイクの中で覚醒します。意味不明の言葉は、マイクの潜在能力を引き出すキーワードだったのです。


 駐車場で襲いかかってきた暴漢2人に対し、覚醒したマイクは、カップラーメンのお湯とスプーン1本だけで、瞬時に倒してしまいました。


 実は、マイクは、CIAが極秘のマインド・コントロール実験で生み出した、人間離れした格闘能力を持つスーパー・エージェントだったのです。

 マイクは、計画の封印を目論むCIAに命を狙われることになります……。


 かつてアメリカで実際に行われていたというマインドコントロール実験、コードネーム「MKウルトラ計画」を元にしたアクション・コメディです。


 マイクは、ホームセンターでチリトリや缶詰、花火、冷凍肉などを自在に使い、手練れの戦闘員たちを片っ端からなぎ倒していきます。

 なんでもない日常生活品も、凄腕のマイクにとっては殺人の凶器。銃を持った相手でも瞬殺です。


 物陰に隠れながら、フライパンを宙に投げ、それに向かって銃を撃ち、跳弾で敵を倒すなど、「おおっ」と思わせてくれる見せ場もあり、アクションもすごいですが、テンポの良いコメディなので一気に見れます。


 エンディングには、マイクがゴリラに変身して敵をボコボコにするというシュールでキッチュなアニメーションも流れます。なんだこれ。



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