白身魚

昨日

ぼくが箸でつまみ

呑んだ白身の一欠片

欠片は小さなたくさんの

魚となって血を泳ぐ

ぼくの身体の隅々に

たんぱく質を届けるために


君がバスに乗り

去るは東の大都会

過去は小さなたくさんの

女となって血を泳ぐ

ぼくの身体の隅々に

恋の終わりを届けるために


ぼくも

あの 白身魚のように

そして 君のように

君の血潮を泳いでいたなら なぁ

男に会うたび思い出すように

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