湖 #2

立ち並ぶ木々の枝間から見える

水面と空は重なり合って

もはや どっちがどっちだかわからぬ

それほどに青く 澄んでいる

美しい湖


なぜ 美しいのだろう?


ふと 見やれば足元に

栗鼠の死骸

ぱくりと割れた頭蓋骨から

脳漿と血が流れ出て

豊かな土に吸われている


わかった

血だ 血なんだ

この美しい湖は 血なんだ


流れ出た血が 今もまだ

産み 育み 再び湖へ還ってゆく

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