秘密の湖

森の奥に秘密の湖

隠されていた美しさに

ぼくの脊髄は震えた


だが 違った

湖だと思った そのとてつもない水量は

ただのダムだった


ちぇ びびらせやがって

全然秘密じゃないじゃんか と思ったが

ぼくは震え続けている


何に震えている?


それは生命の量

水が本当に隠していたもの


天然だろうと 人口だろうと

生命の量は変わらない

とてつもなく たくさんの命が

そこにあった


いまや水は溢れ出し 

森を 空を ぼくを呑んだ

生命の量を思い知らされて

ぼくはただ 手近な木に抱きついて

じっと耐えているしかなかった

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