第12話 王子様を育てる、こっそり裏話をしましょう。「王子様を訓練するには、体罰も必要なんですよ?」って、どういう意味ですか?

「おうじさまをしつけるのも、ひとくろうです!」

 言うねえ。

「アスカちゃん?王子様を育てるのって、ハードル高いね」

 お姉さんも、言うねえ。

「わたしね?わざと、ころんじゃったりもするの」

「アスカちゃん?それ、どうして?」

「あなたのごしゅじんさまは、あなたがしっかりしていないからこうなっちゃうんだよって、きびしく、おしえてあげるため」

「へえ」

「ほめているだけじゃ、ダメ。ほめられてのびるっていういみを、かんちがいしているし。今どきの、男子みたいに」

「…小学生も、きびしいことを言う」

「うまくできたら、おうじさまにかんしゃしてあげるの。わたしをまもってくれて、ありがとうって!」

「うわ、美しい!」

「おうじさま?よくできました。おまえがいてくれたから、わたしは、たすかったんだよ。ぶつからなくてすんでありがとうって、ほめてあげるのね」

「まるで、良い教育」

「?」

「良い教育で児童生徒のしつけがうまい先生は、そうやって、怒ったりほめたりを使い分けられますからね」

 ここで、疑問になる?

「(犬には)身体で、覚えさせる」

 そう聞けば、疑問。

 体罰のようでいやがる人も、多いから。

 体罰は、いけないよ。

 …でもね?

 専門家の方は、こう言うんだ。

「盲導犬の訓練には、身体で覚えさせる方法が良い」

 どうして、そう言うのか?

 簡単にいえば、甘やかし教育を防ぐため。

 強く叱らず、許すばかりだと…。

 盲導犬は、こう思うようになる。

「バウウ!そうか。これくらいじゃあ、怒られないみたいだな。それなら今回は、これでも良いや」

 ダメ教育。

 甘やかし教育。

 何をしても、それが当たり前のように思われてしまいがち。

「児童生徒が何をしても、ほめましょう!」

 それをかんちがいしている学校の先生、多いよねえ。

 ダメ!

 ご主人様を守る意識が、弱くなっちゃうだけだぞ!

「おうじさま、だめでしょう!」

 体罰に見えてしまうような強いしつけも、ときには必要。

「そうだ。ハナおねえさん?」

「はい」

「ウエイトも、むずかしいんだよ?」

「え?」

「まちなさいの、ウエイトです」

「ああ、英語のウエイトか」

「ホント、むずかしくて…」

 何がむずかしいか、わかりますか?




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