第9話 「王子様をつつんであげる」ケアは、コツが必要な愛のイベントでした。くすっと笑いたければ笑ってください。
王子様のうんちも、ハードルが上がる、上がる。
ああ、そうそう。
この話のはじめに、「アニマルウェルフェアの世界的な広がり」について触れたはず。
その運動には、「 5つの自由」っていう目標があるらしい。
彼女に、教えてもらった。
これも大切なことなので、しっかりと考えておきたい。
「動物愛護、動物福祉(アニマルウェルフェア)の 5つの自由」
①飢えや渇きからの自由
②不快からの自由
③痛み、ケガ、病気からの自由
④本来の修正に基づいた行動ができる自由
⑤恐怖や抑圧からの自由
犬やネコ、たくさんの動物を不幸にしないようにという、基本的な 5目標。
それが、今、どうなっている?
「動物は、大切に。犬に、本を読んで、聞かせてあげましょう。成績が、良くなります」
そうかなあ?
それで成績が良くなるのは、誤解かも。
犬は、人間とちがって文句を言わずに黙って聞いていてくれるだけ。
読んでいた子は、怒られることなく集中できることになる。その意味で、「集中力が上がる」っていうだけのことなのかもしれない。
いろんな意味で、注意。
「ハナおねえさん?」
「はい」
「おうじさまとのふりんって、むずかしいんです」
「でしょうね」
「…あ、そろそろ?」
「どうしたの、アスカちゃん?」
「くうん…」
「おうじさま?うんち、したいんですか?」
「くうん…」
彼女が、王子様のしっぽの位置を確認。
そのしっぽの根っこ近くに、彼女の左足の先を付ける。
「アスカちゃん?どうして、そこの場所なんですか?」
「おうじさまは、いつも、そのあたりにうんちをするからです」
手にビニール袋をかぶせた彼女は、そうして、王子様のうんちをつかみ取るという。
「このやりかたは、ペットショップでおしえてもらいました」
「そうなんですね」
「おうじさまのうんちって、あったかいんですよ?」
「…ぷっ」
王子様のうんちをつかんだままで、ビニール袋を裏返す。こうすることで、手も汚さずに処分できるようになるとのこと。
なるほど。
「ハナおねえさん?」
「はい」
「わたしね?」
「はい、はい」
「今、おうじさまを、てにつつんじゃった!」
「その言い方は、どうかと」
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