　ギリシャ国民はみな拍手をおくった。

　綿（めん）邈（ばく）たる邃（すい）古（こ）より北欧神話の継承されてきた北欧（よー）羅（ろつ）巴（ぱ）各国では戦争勃発爾（じ）時（じ）に『システム』の配備が完遂されておらず一時的に各国陸海空軍がテロリストへの邀（よう）撃（げき）にあたっていた。無論『躬（み）自（みずか）らの死』を惶（こう）懼（く）しないテロリストたちをまえにして觳（こく）觫（そく）鬱（うつ）勃（ぼつ）たる兵士たちは無力だった。斯（か）様（よう）なる状況で北欧（よー）羅（ろつ）巴（ぱ）各国は『システム』の起動に成功した。最初にあらわれたのは最高神オーディンの窈（よう）窕（ちよう）たる愛（まな）娘（むすめ）といわれ『戦死者を蘇（そ）生（せい）させて英雄にする』という戦士の女神『ヴァルキリー』たちだった。駸（しん）駸（しん）たる奔（ほん）馬（ば）にまたがったヴァルキリーたちは血（ち）腥（なまぐさ）い戦場を狂（きよう）奔（ほん）して戦死者たちを蘇（そ）生（せい）させる。よみがえった戦士たちは『神（かみ）神（がみ）』と同等のちからを獲得して完全武装のテロリストたちを鏖（おう）殺（さつ）してゆく。おなじく北欧神話にて戦の神でありオーディンの愛息にして雷（らい）霆（てい）の神である赤髭（ひげ）の巨人『トール』があらわれ『神の鉄（てつ）槌（つい）』から雷（らい）霆（てい）をほとばしらせてテロリストたちを焼（しよう）燬（き）してゆく。