第44話

『ハンナばあさんをころさなければ』ならない。

 金城ひろはベレッタ92の安全装置をはずしながら量産型『システム』の団塊の背後でりゆうりようとうたっているハンナばあさんにきくじんした。ぼくとつたる英語でいわく「ハンナばあさんこれはすべてあなたが仕組んだことですね。このようにふたたび世界に『憎悪』をあたえることで戦争をおこすつもりですね。あなたはこの世界から『ジブリール教徒という隣人』をみなごろしにするつもりですね」と。しばらくのんままにバッハの楽曲をくちずさんでいたハンナばあさんは唐突にげつこうしてたんをきりはじめた。いわく「そうよ。この戦争はわたしが執筆した『叙事詩』なのよ。最後にりすと者が勝利して世界から戦争はなくなるの」と。最後にしゆつこつこうしようし「わたしは神を愛し神に愛され最後の審判には千年王国へゆくの」といった。金城ひろはベレッタ92のトリガーにゆびをかけめいもくしながら深呼吸をした。金城はいう。「ハンナばあさんわたしが間違っていました。この世界に『神』は本統に存在すると科学的に証明されました。そんな『神』のために隣人をころすあなたに『愛』など存在しない」と。

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