第43話

 金城ひろどうがしていた。

 なんとしてでも『あいつ』をころさなければならない。

 かいれいなるオフィス用スペースの窓際にそんきよしながら漆黒のスーツの内ポケットから黒光りする拳銃をとりだして金城はびくびくとした。十五発の9x19mmパラベラム弾がそうてんされたベレッタ92だ。金城がじゆんこうかいの日本のに希求してアメリカ内をちようりようばつするイタリア系マフィアから譲渡してもらったものだ。のうに研究室にてグロッグ社製の拳銃でふつこうを射撃されたの記憶をほうふつする。刹那金城は死をおもった。わかの金城は銃撃されてひやくがいきゆうきようの神経に激痛がほとばしった瞬間に『死ぬまえにりゆうかなえにプロポーズしておきたかった』と優柔不断をざんした。おそらく『システム』とPC内のデータに不明瞭な箇所があった場合のために金城は『生かされた』のだろう。組織の人間は見事に急所をはずして銃撃していた。ゆえに金城は露命をつなぎとめた。『あの瞬間の戦慄』を相手にもあたえなければならないのだ。だからこそ金城は『百%の確率』で相手をころさなければならなかった。

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