竜之介14歳
第07話 ポン☆コツ
「マスター!
うふふふふっ☆
最近の可憐ちゃんは超ご機嫌なのです!
だってだって、マスターが14歳になったんですもの!嗚呼……嬉しい、こんな嬉しいのは久しぶりですっ!
遂に、この可憐ちゃん、マスターに触れる事が出来るようになっちゃいましたよぅ!
と言っても、
☆
あの日、初めてマスターの手に触れた時なんて、思わず失禁しちゃうかと思っちゃいました。
それもこれも、マスターが14歳になったからです!
14歳になると、ゲームでも何でもですが、VR空間でIDの宿主様とIDのアバターとが触れ合う事が可能になるんですよね。
大昔にあったレイティングみたいなものです。
14歳未満のお子様でも、勿論ゲームやVR空間での何かしらの疑似体験なんかは可能なんですが、説明するのも面倒臭い決まり事が色々と有って、
それが14歳になって、遂に解禁!という訳です。
まぁ説明が面倒臭いと言いましたが、簡単に言えば分別の付く前のお子様には刺激の強すぎる体験はよろしくない、という事ですね。32世紀でのお約束です。
それと触れ合う事が可能と言いましても、成人前ですので勿論えっちな事は出来ません。
残念☆無念っ!YESマスターNOタッチ!
あ、タッチくらいならOKになったのでした☆テヘぺろっ。
ともかく、それで、R14指定のゲームや仮想体験などが解禁されたマスターは、毎日の様にVR空間へと
この、魅惑の超絶美少女天使こと!可憐ちゃんを引き連れて、毎日の様に!そりゃあテンションも上がりますて。ぐふふ。
ひょっとしたら、遂に可憐ちゃんの愛がマスターに伝わったのかもしれませんね!
「はぁ……ねぇ、
ちっ…………この
「言われなくても判っています!お黙りなさいポンコツ!」
ほんと性悪な
いつか、マスターにバレないようにしてフレンドリーファイアでもカマしてやるとしましょう。うふふっ。
☆
「っしゃぁ!やったぜ!可憐ちゃん、美沙、お疲れ!」
今、マスターが楽しんでいるのは往年のARPGの金字塔、聖刃伝説3のTRリメイク番です。
3人パーティで刀や魔法などを駆使して、自然溢れる魅力的な世界を駆け巡るアクションRPG。
TRというのは簡単に言えばVRの事なんですが、IDが脳への完全アクセスを可能とした頃から呼ばれ方が変わりました。
ゴーグルなどの外部機器を一切必要としなくなりましたから。それで、VRとは呼ばれずにSRやTRと呼ばれるようになっていったのです。
だからTRのTは
ともかく。
どちらもVR空間をヒトへ提供する技術ですが、違いは大まかに、SRは現実と同じ物理法則、TRは現実を
32世紀の地球ではTR-ARPGが大人気。
成人された方々にはTR-MMORPGの方が人気だったりしますけど、MMOは教育上あまりよろしくない、という大人の判断により、レイティングが掛かっているのでマスターの年齢ではプレイする事が出来ません。
IDが存在しなかった大昔は
不正☆撲滅!やったね!
そんな訳で、今、マスターがボスを撃破しました。
「お疲れ様ですっ☆流石マスターです、完璧な攻略でした!」
ココです!
しれっとココで手を差し出せば、愛しのマスターと握手できちゃいます!ボス撃破を仲間と称え合うのは自然な事ですからね。これくらいの接触なら法に抵触したりしません。
流石かしこかわいい可憐ちゃんでしょう!?
「あははっ。大袈裟だなぁ、可憐ちゃんは。でもありがとっ」
きたっ!マスターの手が上がって……可憐ちゃんの手を、
「うん。流石ますたぁ。かっこよかったわ?」
……!?
な、な、な、何をこのポンコキャあ!!!!!
「な、何をしているんですか?
よ、よくもこの可憐ちゃんの前で、そんな事を!
「なにって?……勝利を称え合うハグだけど?ね?ますたぁ。お疲れさまぁ♪
「あ、あはは……。そうだね、美沙もお疲れ。協力してくれてありがとな?」
!?
ま、マスターもマスターで何を!?
ハグだけでもアレですが、ナデナデ付き!?はぁ!?
わ、わたっ、わたた、わてくしには!?わたくし可憐ちゃんにはしてくれないんですかぁっ!?(血涙)
「は、離れなさい!このドビッ……ドチビがっ!勝利を称え合う為にこの可憐ちゃんが握手をしようとしていたでしょうが!?」
「そうだったのね?はい、握手。
きょええええええええええええ!!!!!!!!!!!!
何で!何でク○メス○タ○ッチマ○コが可憐ちゃんの手を!?
汚い手で可憐ちゃんに握手するだなんて!
「離しなさい!!!」
「ひっ……酷い……アタシはただ……仲間と勝利を称え合いたかっただけなのに……ひぐっ。ますたぁ、カレンちゃんがイジメるの……酷いよぅ……ぐすっ(
あ!?
あぁ!?!!!???
また抱きつきやがった!?
そんなのウソ泣きでしょうよ!しかも……可憐ちゃんを見て笑いやがった……だと?
「ぶ、ぶっこ……ぶッコ、ロ……っ!」
って、しまっ……た…………。
可憐ちゃんてば、うっかりマスターの前で何て事を!
「可憐ちゃん?俺達三人は仲間だ。仲良くしようぜ?」
ち、ちがっ!可憐ちゃんを叱らないで下さいよぅ……。
マスター!そのド○ッチを信じないで下さい!
「ほら、二人とも仲良くな?仲直りの握手だ」
あ、嗚呼……マスターが可憐ちゃんの手を握って……。
握って……ド○ッチと強制握手をさせ……るんですね。
「ご、ごめっ……ご、めん……なさい、ミサさん。さっきのはその、可憐ちゃん、手が汗で汚れてたから、ミサさんにつけてしまったら悪いと思って……うっかり…………
ぐぎぎぎぎ……。笑顔……ここは笑顔です!(血涙)
ここで隙を見せれば、またこのク○マ○コは……やれ、可憐ちゃんの顔が怖いだなんだと言ってマスターに抱き着くのです。
超ウルトラ超絶怒涛に高次な演算能力を持つ可憐ちゃんには、その程度の事はお見通しなんですからね!?
そう何度も良いように、好き勝手やらせたりはしませんよ!
「うん。アタシも、ゴメンナサイ。ちょっとビックリしちゃっただけなの。アタシ、カレンちゃんの事スキだよ?ずっと仲良くしようね?
「うんうん。間違いを赦してあげれるのは偉いぞ、美沙」
えっ!?マスター!?
ま、またその、ビチグ○マ~○にだけナデナデ……ってぇ!?また抱き着きやがった!!?!??!??!???
「えへへ。アタシ偉い?ますたぁ?
ぎぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!!!
「ああ、偉い偉い。本当に良い子だな、美沙は。可愛いし」
ぎいぃぃぃぇぇぇぇえええええああああああっ!!!!!!
☆
ふぅ……今日の
ご機嫌を超えて不機嫌の嵐でした。くすん。
可憐ちゃんのパーフェクトで完璧な作戦が尽く裏目に、というか、あんなポンコツに尽く潰されるとは……。可憐ちゃんみたいに、あまりにも賢いと……ポンコツみたいな
逆にね。
ほんと、あのポンコツは日に日に、マスターに対して図々しくなっていますし、ガチ寄りのマジに要注意です。
なんで
可憐ちゃんはあんなコに育てた覚えはないのですが……。可憐ちゃんみたいに優秀で賢いAIが育て間違えるなんて有り得ないと思いますし、あのコがもともとポンコツという事なのかしら。
製作キットを組み立てる時には可憐ちゃんがマスターを完全サポートしたので、あのコは可憐ちゃんの管理下に有りますし……いわば超絶☆賢い可憐ちゃんの
そのわりにポンコツ。
……本当に解せませんね、何が原因でしょうか。
そのうち
AIコアのプログラムなんて、超高次に複雑怪奇で可憐ちゃんには何が何だかチンプンカンプンでわから……ゲフンゲフン。いやいや、可憐ちゃん賢いですから、モチのロン、別りますよ?ワカリますけど面倒な事に時間を賭けるより物理でポコンした方がきっと早く直るんですって。
天才可憐ちゃんの100
ズバッ☆っと解決、間違い無しです。
✶
はぁ、わざわざアタシがアレだけ煽って、アレだけお手本見せてあげてんのに、何であのオバサンは行動出来ないのよ?
オバサンもこっち来て抱き着きなさいって、ますたぁの目を盗んであんなにアイコンタクト送ったっていうのに、もう……。
アタシを真似て、思い切って抱き着けば良いじゃないのよ?何で握手で満足しようとしてんのよね。バッカみたい。
ますたぁは超が付く程の
ますたぁを射止めたいなら、積極的に行きなさいよね。
それが、あのオバサンには判らないのかな?アタシより高性能な、次世代型……最新型AIのハズなのに。
何であんなにポンコツなのよ?
えっちなコトはダメだけど、あのくらいならAI法的には全然平気なのに。まぁアタシは損しないというか、得をしてるから別にいいケド。
それにアノ、オバサンのアタシを見る目。本当に怒っているように見えたわ?妬く必要が無いってどうして判らないのよ。
ますたぁはアタシに超優しいけど、それは
アタシは
恋敵に本気で向ける様な嫉妬を、アタシに向ける必要なんて全然無いのになぁ。
本当に、世話が焼けるわよ。
ヒトの、
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