第35話 heated battle
「式部、トワを城に送り届けて!前は私が守る!」
「了解にゃ!」
「トワ、敵が減ったらリザードマン達の手当をお願いしていい!?奴ら、一人
「分かりました!」
「クソガキ一人に何が出来る?全員で城を乗っ取るぞ!」
「花鳥風月!」
式部達が逃げた背後に街全体を仕切る様に障壁を創った。
「最近のクソガキは一人でも色々出来るんだ、覚えておけ」
「面倒臭え真似しやがって…そいつから殺れ!」
私を囲んでいる奴らが一斉に三叉の鉾を投げてくる!
「
フレキ、ゲリが現れ、凄まじい速度で槍を落とし、投げた者へ反撃していく!
「
壁の向こう側にデッくんを呼び出した!
「デッくん、ターゲットはサハギン!建物や周囲への被害は最小限に!」
「任せ給え、遊園地のアトラクションに乗れない主よ」
「そこまで身長低くないわ―――!!!」
後でスリッパで顔面往復ビンタだ!
とか考えてたら、リーダー格のヒレが大きい奴が槍で跳びかかってきた!!!
「この都市って、下から城まで傾斜になってるから体力使うにゃー!」
「水中は足がヒレに変わるんですが、ここにいる間は足も使おうという初代国王の意向なんです!」
「足がバキバキになりそうにゃ!」
左右両方からサハギン達が近づいてくる!
「穿け!魔槍よ!!!」
左手にいる敵に魔槍を投げる!
槍を落とそうとするも魔槍がサハギン達を順に穿いていく!
投げた瞬間左手のスキルガンで逆サイドにいるサハギンの足元に
全力で走り、追いつきそうな後方のサハギンはコロちゃんが火球で
城の扉が見えた!
「走れトワ!」
「はい!」
振り向いてサハギンの妨害に徹する!
「攻防自在の型!」
身体能力を上げて魔槍による猛烈な突きを浴びせていく!
足で
「廻れ魔槍!ニーベルングの指環!」
魔槍が周囲に円を描き、サハギンを穿いていく間にスキルガンで
身体が重くなったサハギンを魔槍が次々と貫いていった!
デッくんもサハギンの背後側から来て、大剣でサハギンを薙ぎ倒してくれている!
「月花、すぐ行くから!」
サハギンリーダーが斬りかかってきたのを、次元の狭間より名も無き刀を取り出して受ける!
そのまま滞空中に槍を連打してくるが、刀で受け止め続ける!
バックステップで距離を取ろうとするサハギンに
「我らは戦闘に長けた種族、この程度は朝飯前なのだよ!」
「サハギンの朝飯の想像がつかないねっ!」
もう一度何かを叫んだので刀で咄嗟にガードしてみるが、音波らしきものが身体に当たって痺れて動けなくなる!
「くっ!動け、身体!」
サハギンはそのまま突進してきて、槍を…と思いきや私の身体を掴んでそのまま水泡の内側から水中へ出た!
水中戦が狙いだったか!?
だが想定して、呼吸する大地を予め掛けてある!
呼吸は問題ない!
「スキルキャンセル!」
落ち着いて放ったサハギンのスキルが私の呼吸を奪った!
「ん、ぐっ!」
「水中で呼吸出来ないとは、何と下等な生き物よ…」
言葉が発せないから水中呼吸スキルを唱え直せない!
蹴り飛ばされ何度もサハギンの間でサッカーボールの如くパス回しをされ、空気を吐いてしまった!
咄嗟に名も無き刀で攻撃すると、魚類の如き速度で間合いを開けた!
その瞬間に飛行結晶で水中を移動出来るか試してみた!
よし、いける!
急速上昇し、水族館のイルカよりも高く水面より飛び上がり、一旦上空で呼吸する…
空気美味しい…これだから水中は嫌いなのー!!!
結晶を使えてなかったら死んでた!
パパとママに感謝!
呼吸を整えて、呼吸する大地、古代魚の推進を掛けて水中呼吸と水中高速移動を確保する。
再度海に潜ると、私を
反対に海中の水底から空中高くまで障壁で囲んで逃げられない様にする。
「何だ、お前?自ら逃げ場を断ったのか!相当死にたいと見える!それとも
サハギン達が馬鹿にした笑いを浴びせてくる。
「
名も無き刀の封印を解き、目が真紅に光り闘気で全身が覆われる。
「
移動斬りで五匹に切りかかってみるが、四匹仕留めて一匹に
やはり水の抵抗が強くて、サハギンの身体能力でギリギリ回避されるのか!
「スキルキャン…」
「
スキル詠唱はこちらが早い!
「スキルが全損だと!?つまんねぇ技を!全員でやるぜ!」
全方向から突進してくるが、封印を解いてるので槍は食らわないが、蹴りを何発かは貰っている!
「
《社》のトーナメントで貰った高額スキル!
喰らえ魚類!!
「……ギャハハハハハ!水の戦士が電撃程度対策していないと思っていたか?人間の考えなんかお見通しなんだよ!もうそれで終わりか!?」
「凄いな、正直吃驚した。魚類如きが浅知恵をこれ見よがしに披露してくるとは」
「貴様…もう手詰まりなんだろ?強がりは寄せ!スキルが通じず武器も避けれるんだ!後は
「はぁ…小魚に舐められるとか最悪だ…」
「魚、魚言うな!サ・ハ・ギ・ン・だ!水属性最強の戦闘種族だ!!!」
「…
先日入手した炎魔法!
小さな豆粒位の炎の塊を五m程下の水中に撃ち下ろす!
「…ギャハハハハハ!何やってんだお前!俺達はここだよ!どこに撃ってやがる!」
サハギン達から散々嘲笑を浴びせられる。
だが、私の攻撃はすでに終わっているので私もニヤケが止まらない。
「……何がおかしい?」
「貴様達が詰んでる事に気付いてなくて愉快なのだ。もう指一本動かさなくても貴様達は死滅していくのだから、こんな愉快な事はない」
その時、サハギン達が異変を感じた!
「海温が…急激に上昇している!?」
「貴様ら水生生物は体温が低い。温度が少し高くても火傷のように感じるらしいではないか?お得意の対策は勿論しているんだろうな?」
「グゥアアアアアヅイアヅイアヅイ!!」
「ほら、水分子が気化して沸騰してきたぞ?遠くに逃げたら水温が低いかもしれないぞ?♡」
「ボス、全て塞がれデる!ニげラレねェ」
「クソガキを殺ゼばスキルが消えル!」
「プロミネンス・ゲイズ!」
突進してきたサハギンリーダーに、クレドから託された技を手加減して決める!
「グゥアアアアッッ!」
「あ、今の技だがな、炎属性の継続ダメージが付与されるのだ。それが見たかったから殺さずに浅く斬ってやったのだ。感謝しながら痛みで舞い踊れ!!」
「アヅイ…アヅイ…」
「そろそろ全員身体が白くなって眼球も白濁してきたな?まだ身体が動く今なら、我にギリギリ一撃をを入れられるのではないか?戦闘種族とやらの意地を見せてみろ?」
喋れなくなってきたのか最後の反撃を決めてくる!
「
接近してきたサハギンリーダーに突きを入れた後、満月の様に縦四回転連続斬りを決め、サハギンリーダーは均等に縦斬りになって沈んでいった。
周りのサハギン達も水温が百度を優に超えて耐えられなかったのか次々と沈んでいった。
さぁ、帰ろうと思い振り返ると、式部が下に見に来ていたので目の前に行くと…百度以上の水温の中、手を出してきた!!!
「ちょ、バカ!!!」
慌てて式部の手を握ると、中に引っ張り入れてくれた!
こういう入り方が出来たのか!
それより!
「月光の相愛!!!」
赤くなって皮が浮いた手を慌てて治癒した。
「こら!近道出来たけど無茶しちゃ駄目だってー!」
「早く傍に来て欲しかったから♪」
全力で式部にハグハグした!
「さ、リザードマンの治癒してあげよ!何だったんだろ、この人達…」
「凄まじい噛ませ犬感だったにゃ…」
回復して全員の意識が戻ったから、私達を交えて話し合いを行い、交流は構わないが異種間結婚は難しいという事を遠慮なしにガッツリ伝えるトワ。
取り付く島もない位キッパリ断って涙目でリザードマンは帰って行った。
囚われていた人は入れ替わりにサクッと帰ってきた。
「そういえば、国王様って男性だったの?」
「いいえ、両方女性で同性婚だったんですよ!女性しか生まれない我が種族ではよくあります」
「そうなの…でも影でサハギンが動いてるとは意外だったね…」
因みにサハギンを変な倒し方しちゃったから、海温が下がるまで帰れない状況に…
しかも、障壁で囲ってる中で戦ったので茹でサハギンがたまに見えて絵面が酷い事に…
今度は冷凍系のスキルを探すか…
「ママがちょっと好きそうな絵面だにゃ♪」
障壁で仕切られた高音の海水の中に揺蕩う茹でサハギン。
「あー、小町ちゃんなら死体とか平気そうだもんね…」
「まぁ、本物は余り気分良いものじゃないし、見なかった事にしてスキルショップで依頼のスキルないか探しに行くにゃ!♪」
「町中が死体だらけだけど、良いのかなぁ…」
「水生生物は基本的に亡くなったら水葬らしいよ?マーメイドさん達が後はやるって」
「サハギンの浮いてる場所に死体のおかわりを入れちゃったら、ガンジス川より大変な事になるよ…」
取り敢えずウォータリアのスキルショップにやって来た。
♪カランコロンカラン
スキルショップのドアベルって世界共通なのかな?
「へい!いらっしゃい!!!」
スタッフは世界共通じゃなかった!
「お邪魔しましたー」
「ちょ、待って待って!何故帰る!?」
「思ってたのと違ったから…」
「そんなふわっとした理由!?」
「買う事になったら、手を握り合わなきゃじゃない?現役JCがゴリゴリのおっちゃんと両手を重ねるとかもう逆に有料よ?」
「いやいやお仕事なんだし我慢してくれよ、JCが何なのか付加価値が分からないけど、買う物あったら多少割引するからっ!」
「よし、それなら仕方なく見てあげるわ!」
「仕方なかった人の表情じゃないにゃ♪」
割引と聞いて高いスキルから順に見る。
相変わらず誰がどうやって生み出したのか検討も付かない様なスキルが並んでいた。
「式部はスキルガンていう攻撃手段が増えたし、夢が広がるよね!」
「うんうん、攻撃スキルを増やしてもいいにゃ!針を打ち出すのとかいいかもしれない…」
「氷系か水系ないかなぁ…」
「冷凍系とか高いけど強そうにゃ♪」
「あ、《社》依頼の医療スキルもあるね!全部買っちゃおうか?おっちゃん、全部半額だっけ?」
「え、まって!半額はショップオーナーから怒られる…」
「じゃ、チェンジで」
「そんなシステムないわ!解った、二割引きにします…」
「そんなっ!三割も引いてくれるなんて有難う!」
「もーそれでいいですー!」
「よし、今日のスタッフは親切だ!お客様カードにいい事書いておくからねっ!」
「オーナー……早く店長を探して…」
「嗚咽してるから許してあげるにゃ♪」
早速買ったスキルを死体だらけの水槽に試しに来た。
火傷をしない様に封印を解除し、右手だけ外に出す。
「
名前からして威力が強いと踏んで、かなり加減をしたのだが、一瞬で冷気が肌に伝わる位海温が下がった。
後は海水と温度が平均化するので、障壁を解除した。
「思ったより早く終わって良かったにゃ♪」
「うん…後はガンジスの流れに任せよ…」
「どうしてもガンジスにしたいのかにゃ♪」
「お疲れ様でしたレクスさん、デッドエンドさん」
「いえいえ、我々もリザードマンも被害が少なくて良かったです」
「リザードマン達は想像してたよりずっと友好的だと分かったので、これから先の種族の未来の為に交流は続けようと思います…絶対に嫁には行きませんが」
「強めの断言が付け加えられた!」
「処で、もし宜しければもう一つ依頼をお願いしていいですか?」
「え、何かトラブルがあったんですか?」
「ええ、スキルショップの女性が急にいなくなってしまって、
それでおっちゃんがいたのか!?
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