第33話 Return and Escape
式部に捕まって、転送でやっとリアルワールドに帰ってきた!
「お帰り月花!」
「式部ごめん、家帰る前に少し泣かせて…キツい事あったんだ…」
式部に抱きついて泣く…
ずっと我慢してたから、どこかで泣いておかないと思い出し泣きしそうだった…
式部がハグしながら頭を撫でてくれた。
「そっか…そんな酷い事が…」
「きっちり倒したけど、倒した跡に二人のスキルが入手されて…まるで後は頼んだって言われてるみたいでさ…」
「そのスキル大事にしなくちゃだね」
「うん!さて、一回家に帰ろう!久しぶりに小町ちゃんのご飯も食べたいー…」
「あはははは♪」
帰ったら早速ママから涙ながらにハグされるが、ママのハグは強いので若干痛いのだ…
パパは普通に頭を撫でてくれた。
小町ちゃんご飯タイムまでお風呂に入って久々に全身を綺麗にする。
美少女は
時間が来てお店に上がったら小町ちゃんもハグしてくれて嬉しい!
こういう何かあった時は何も言わずに肉が出るのが小町ちゃんご飯の良い処なのだ。
「では、月花ちゃんお帰りなさ―――い!♪」
「おかえりー!」
はー…この空気落ち着く…
「月花ってば!これ見てー!♪」
「うわ!式部何その銃!」
「《社》から貰ったスキルガンって奴で、射程の短いバフや回復を百mまで飛ばせるんだって!予めシリンダーに装填したら順番に打ち出す事も出来るらしいにゃ♪」
「えー!いいなー!私にも何かくれないかなぁ…」
「月花は…アイテムが無くても強いからにゃ♪」
「違うの式部!強さの有無じゃないの!格好良いアイテムが欲しい!これなの!」
「月花のそういうとこ、ママにそっくりだな!」
「そうよ月花!格好良いアイテムを振るうのは女のロマン!お姉ちゃんもたまに斧とかチェーンソー持ってるでしょ?女は皆それで普通!!」
「こいつ…分かってるぜ」みたいな顔で静かに頷く小町ちゃん。
「まて、そこの姉妹の普通を常識と思ったら駄目だ!」
「えーなんでよー!チェーンソーは乙女の
「標準的な乙女はチェーンソーを嗜まないんだっ!」
「グレゴール・コマチは、ある朝自室のベッドで目覚めると、自分が巨大な殺人鬼になってしまっていることに気が付くっ!♪」
「殺人鬼への変身はいらんっ!」
ママ達に弄られて、パパがツッコミ
クレドとフィルとの数日間も凄く楽しかったな…二人のスキルは大切に使うからね!
「ん、美姫さんから電話だ…出てくる」
「はーい!」
「流石にパパも美姫さんは従順なんだねー…」
「あの人の強さは異次元だから…昔、皆で神様に謁見した時、神様が美姫様って敬称つけてたしね」
「嘘でしょ!?て言うか神様と謁見てどういう状況!?」
「まぁ、色々あったのよー♡」
「その一言で
「警察の方で新米警官が強盗犯人を取り逃がしたらしくて、見かけたら頼むって言われた」
「連絡が来る位だから、面倒な奴なのかな?♪」
「空手有段者でピストルを奪って逃走。複数のスキルを使うらしい」
「空手とスキルありで警察に捕まるってなかなかのドジっ子なのでは?」
「月花!男にドジっ子って使っちゃ駄目!
「ルクレツィアさん居たんすか!」
「いーたーわーよー!ずっといた!なんなら一緒にお風呂入ろうとしたら断られたじゃない!」
「そう、私のこの
「なさいっ!♪」
「にににっ!」
「コロちゃんまでー!」
すっかりウチに馴染んでて忘れてた…
翌日、久々の登校!
小花ちゃんとも久々に会う気がする!
「そういえば聞いて」
「どうしたの小花ちゃん?」
「ラブレターをまた貰ったの」
「またか!何通目!?」
「小花ちゃんモテモテだからにゃー♪」
「ただね…断るのが面倒で…」
「増える撃墜数!」
「何が駄目だったの?♪」
「13日の土曜日シリーズが何本作られてるか即答出来なかったから…因みに正解は、はい式部!」
「フレディvsジェイソン入れて12本!が普通の正解で、今テレビシリーズが製作中でもうすぐ13本!が模範的正解にゃ♪」
「そうね、そこまで答えれないと私とは日常会話も難しいわ…」
「逆にキモオタで13日の土曜日位即答出来る人だったらどうするの!?」
「まだまだ問題が続くわ」
「鉄壁の防御!!!」
小花ちゃんを彼女に出来るとか相当なクオリティの人なんだろうなぁ…
中学校に向かうに連れて、何故かざわざわしてきた。
何ならパトカーも見え…パトカー!?
何事かと近くに居たクラスメイトに聞いてみると、昨日の強盗をして逃亡していた男が、学校に潜んでいた所を見つかって、先生一人を人質に体育館に立て
素人一人に武器を出す訳にも行かないし、必要最小限で捕まえるか!
警察に《社》の身分証を出して、危険だから野次馬の生徒を校内に誘導してもらい、体育館の周囲を包囲してもらう。
勿論小花ちゃんも入ってもらった。
「式部、あれ持ってきてる?」
「もーちろん!♪」
「じゃ、サポート宜しく!」
ガラガラガラッ!
「失礼しまーす!」
「あ?」
「失礼しましたー」
「待てやゴラァァァ!!」
「すみません、保健室と間違えました」
「嘘つけ―――!!!こんな大規模な間違い、早々あるか―――!なんか全身光ってるし目赤いし、どうせ俺を捕まえに来たんだろうがっ!!!」
そう、背後の次元ギリギリに名も無き刀を置いたまま封印解除して、身体能力だけ上げている。
「まぁ、保健室には行けなかったけど、貴方はついでに捕まえておこうかしら…」
「その保健室行く途中の設定もうええわっ!」
「何が目的?金?女?」
「両方よ!そしてガキに興味はねぇ!」
パァン!
パン!!!
警察の銃を発砲してきたが、銃弾を回し蹴りで蹴り飛ばす!
「……は!?」
バァン!
次は人差し指と親指で銃弾を止めた。
「かの剣豪・宮本武蔵は
「舐めやがって!」
男は人質を捕まえたまま残り四発の銃弾を連発してきた!
三発は指と指の間で挟んで止めて、最後は歯で挟んでみた。
プッと吐き出し、火薬の味がしたのでちょっと唾をぺペッと吐いた。
「歯のエナメル質は熱に強く、人の骨より少し強い程度らしいが、弾丸でも私の歯は折れなかったな?」
「……調子に乗るな!こっちには人質がいるんだよ…次、舐めた真似しやがったら人質を先に殺す!」
「やれやれ分かった、指一本動かさん」
「流出するマグマ!!!」
………何も起こらない。
「どうした?ぼっち特有の独り言か?」
「うるせぇ!!!針千本の嘘!!」
「侵食する病魔!!!」
「静止する鼓動!!!」
「もぎ取る空間!!!!」
「つまらん、次のをやれ」
「……は?」
「飽 き た 違 う の を や れ」
「
「
「ぐぅあっ!!」
「スキルは全て破壊した。もうお終いか?」
流石に手の内がもう無いのか、空手でも勝てないと悟ったのか、人質を離して逃げようとする男!
これを待っていた!
私達はただ、人質を解放させるだけで良かった!
…何故なら
「ぎゃああああああっっ!!!」
人質は
元・
鞠が凄まじい質量で男を体育館の壁に押し付けているので一寸可哀想になった。
因みに強盗犯が乱発していたスキルは全て式部がスキルガンで
あれ!?先生が泣いている…こちらに駆け寄ってくる!
涙……先生はじつは過弱き乙女だっ
スパ―――ン!!!
「いった!…いったぁ!」
愛のムチって書いたスリッパで殴られた!
「体育館に唾を吐くなゆーてるやろ?」
「そこ!?普段から体育館で唾吐いてるみたいな言い方されてる!え、怖くて泣いてたんじゃないの!?」
「…いや、神器をおもきし投げて人の骨が折れていく音…やっぱええなぁって…///」
「聖職者の台詞じゃねぇっ!!!」
「月花ー!上手く行ったにゃ!」
三人でハイタッチする私達!
「スキルガンめっちゃいいね!ほぼ無音だし!」
「射程無視出来るし…夢が広がるにゃ!」
「今はそんなんあるんやなぁ…持ち込みは仕事柄で目
『
「龍安寺先生やっ!」
表で待機していた警察官に強盗を引き渡してこの件は解決した。
「あ、
「あ、前も言われた!」
「あの状態のまま意識を飲まれない練習しーや?あと、パンツ全開やったで?」
「………はぁああああああああ/////////」
「うん、なんかそんな気がしたにゃ♪」
その日の夜。
早速、
少しでもやっておけば必ず力になる!
「ママ、ルクレツィア、行くよ!」
「月花頑張ってー!」
「月花頑張れ!」
「
闘気を全身に帯び、目に真紅の光が宿る。
「おおお、これは格好良いね!」
「冷静な時でも好戦的になり、怒った時は残忍になるって式部が行ってた」
「うちの子が残念に…」
「残忍ね!」
「それ、どういう効果があるの!?」
ルクレツィアが白衣来てドクターペッパー飲んでたから何に影響受けてるか一発で解った。
「これは、動体視力に身体能力のアップ、刀の技の大幅威力アップになる」
「凄いねー…闘気が身体に当たってるのが分かる位だもん」
「そうであろう、この力は弱き民を助け、罪なき民の命を奪う者に凄惨な死を与える為の力だ」
「キャラ変わった?」
「あ、変わってた?気を付ける!」
「善悪の区別はついてるけど、相手を八つ裂きにしそうね…」
「先日、行方不明になった時に会った敵は…何千人と殺して、尚且つ記憶まで完全コピーした人を生み出して都合二度も殺した。敵は倒しはしたが、思い出す度に辛くなる…」
「…人の命を軽々しく摘んではいけないとは思うけど、その人が存在する事によって更に違う人の命へ危険が及び続けるなら、止めるしかないわね…」
夜ご飯の時間になったから、ママ、ルクレツィア、コロちゃんと小町ちゃんご飯を食べに行く。
「お疲れ様ー…っておおお赤っ!月花ちゃん何かに目覚めちゃった感じ!?♪」
「ああ、強化状態に身体を鳴らす訓練なんだか、思ったより性格が変わる様でな」
「うん、変わってる変わってる♪」
「我自身は何も変わっておらぬつもりなのだが、まぁ身体が慣れたらそれも収まるだろう」
「体力も消耗するから、一定時間やったら終わらないとにゃ!♪」
「式部よ、気を使わせて済まぬ」
「大丈夫にゃ♪」
「……ん―――!小町ちゃんの和食最っっ高―――!♡」
「食事であっさり解除されちゃったよ!?」
「意外とちょろかったにゃ♪」
「うちの子だからねー!美味しい物には勝てなかったか…」
「食事には勝てないよねー!美味しい物は大正義!!また寝る前にやってみる!」
数日程、学校へ行って帰宅したら封印を解除して身体を鳴らすという事を続けると、口調の変化が少なくなってきたらしい。
寝て意識が無くなると流石に継続出来ないみたいなので、睡眠時間は完全急速とした。
そんなある日、また《社》からの依頼があり出掛ける事となった。
場所はいつものファンタジー世界のアクラドシアの東、海辺からアクラドシアへ流れる川辺の流れて行く先に面する湿地帯。
その近くにひっそりと佇む海底遺跡が依頼主が住んでいる場所らしい。
「ここに住んでいる…海生生物かな?」
「魚に手足が生えたのが普通に喋りかけて来たら気絶するにゃ…」
土手に埋まった大きな遺跡の入口から、苔の生えた階段を進み、じめじめした遺跡のフロアに来た。
「巨大な除湿器設置したい…」
「乾いたら崩れそうにゃ♪」
どうやら遺跡は余計な道が封鎖されていたり、罠が解除した後があったりで一本道になっていた。
封鎖した跡が新しいので、私達の為に道を開けてくれたのだろう。
魔法で明かりが灯された下り階段を真っすぐ抜けていくと、石の扉と女性が待ち構えていた。
「失礼ですが身分証を拝見出来ますか?」
「はい、≪社≫から派遣されたレクスとデッドエンドです」
「…確認させて頂きました。ようこそウォータリアへ!」
石の扉が音を立てて開くとそこは巨大な水泡に包まれた美しい城と街が広がっていた。
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