　といえども全人類がハルトマンに交響できるわけではありませんでした。各膜宇宙内において『ハルトマン主義者』と『反ハルトマン主義者』による喧（けん）喧（けん）囂（ごう）囂（ごう）侃（かん）侃（かん）諤（がく）諤（がく）の議論がなされます。然（さ）様（よう）な状況でハルトマン自身による伝説の演説がおこなわれました。ハルトマンはこうしめくくります。「かつてある東洋人はいった。『生に意味があれば死にも意味がある。死に意味があれば生にも意味がある』と。つまりわれわれがこの意味ある死をえらぶときようやくわれわれの生に意味が生まれるのだ」と。