大丈夫か?


 アイデアと言っても、これでみんなが楽しめるというものではなく。 

 話題を用意してきた。 俺たちは、もう高校の二年生。 一年生の時にあった高校への、いや一年生一学期にあった高校への期待とか希望とかは消え失せ、それら全て幻想であり、自らの手で高校の期待と希望を獲っていくものだと知った。


 希望はなく勉強にも意味を見いだせなくなり、今学期は去年より成績が悪くなりそうだと思っていた。 俺は運がいい。こっちから何も行動を起こさなくても、期待していた楽しそうな生活が広がりそうだと何日か前に思った。しかし、新しい問題を抱えるようになった。このままなんの話題もない状態だと、話さなくなりやがて部活は解体するのだろうなと考えていた。不安には不安を話すことで楽になり前を向く原動力になるはずだ。



 そうその話題は




「みんな進路は決まった?」

「は?決まってるわけなくね?」

「そうそう、まだ二年始まったばかりだし」

「うんうん誰も決まってないよー、それより、新しいゲーム持ってきたんだけど」「おい、ゲーム持ってきたら悲劇になるって学ばなかったのか?」 

 多分この中で一番まともなのは俺だ。しっかりしろ俺!


「ゲーム没収。そんなにゲームしたけりゃ、ゲーム部行けばいいだろ」

「いやさ、他人と集団で仲良くなれないからここにきてるんだよ?それぐらいわかるっしょ。しかもゲーム部の奴ら、機械しかしないんだ。こういうボード系はしないんだよ。わかるか?」

「ゲーム部はゲーム部でも、俺の好きなゲームはしないってことね、わかるよ」

「はい、ってことでゲームさいかーい」

「はいだめでーす。それとこれは話が別ですーっ。話聞いてたぁ?」


「聞いてたわ、ゲームで悲劇が起こるからだろ?でもここは交流する場所だ!ゲーム以外で取れる俺たちのコミュケーションは他にあるなら、教えていただきたいね。」「俺は聞いたぞ?進路の話題だよ、まぁお前たちが赤点ギリギリで、話題にしたくないってんなら引いてやってもいいぜ?」 

 俺は顔を近づけて煽ってやった。

「よーし三人でやるかぁ」 

 乗ってこなかった。こいつら、中間テスト大丈夫か?



 俺は三人でやらせた、俺も入れてーとかそんな情けないこと俺はしない。 俺は知らん。あいつらの中間テストどうなっても知らん。 あ、俺のテストもやばかった。テストやる気出ないからあいつらと関わろうとしたんだけど。意見合わないし、強烈。俺の平和を乱さず、協力していけたらいいんだけど。 


 ゲーム以外に興味のあることないのか? 

 そういえば、神さんの笑ったところ見たことないな。ゲームも意外と好きじゃなかったりして。興味のあることを聞くには最適な人だと思う。明日聞いてみよう。

 今日も改札を一番に駆け上がり、ピッという音を出す。 

 少し前は、少し暗くなっていたが、今日は日が伸びて暗くなかった。夏の暑さと、冬の寒さの間であるこのような風のある天気が好きだ。しかし一年に何回かしかないのが残念でもあり、退屈しない良さでもある。気持ちい風を感じながら家へと歩いた。




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