③主導権を奪いたい

白波サイド

 こちら側は、任意のタイミングで霧を発生させることができる権利をスタート開始時に教えてもらった。

 霧発動と発言をした後レーン番号を唱えることで主催者側が霧をそのレーンから発生させることができる。



 一番といえば今いるスタート地点の下から発生させるし、二番といえばその横というふうにどんどんずれていって一番端が六番となっている。真ん中は柱であるため霧を入れることができない。

 それにこれの弱点は声を発した時に相手に場所がある程度伝わってしまうということだ。



 即効性はないが、危険なタイミングが重なれば、好機に転じる可能性が高い。だがそれはタイミングが合えばということである。どこでどのタイミングで戦闘になるかわからないこれは

 いつ使うかわからないので今使ってしまう。

 神に相談をしなさいと神は仰せだ。

 どこかのタイミングで使うから今は温存しよう



 いや、今はパートナーがいる。勝手に使ったり下手に温存して私はすぐ使ったほうがいいと思っていたと言われたらひとたまりもない。相談しよう。そうしよう。

「なぁ、いつこの霧を発生させる?」



主催サイド


 そう、このゲームにはもう一つ、いや二つ攻略アイテムがあるのだよ。それに気づき始めている頃だろう。

 ただのじゃんけんではない。ただの運ゲーではない。知略、戦略、地形、武力、そして運が必要なのだ。


 私たちの裏側を見せるとこんな感じ

「三番だ!霧発動!」

 白波の声がした。

「三番だ!霧流し込め!」

 一人が霧を近づけ、もう一人がうちわをパタパタと仰ぐ。


 そう、即効性は皆無。サバゲ部が財源があまりないということも知っておかなければ初見では有利にこれは働かない。運が良ければ使える。若干の運要素を含む一番側のチームには、他にアイテムを用意しているのだが、、さて、そのアイテム君達に使えるかな?



白波サイド


「霧を発生させれば、見えないが、突っ込むことはできると思う」

「速攻で攻めあげるというわけか」

 私たちは霧を使い、大型の設置型水鉄砲に到着した。



あなた(城ヶ崎サイド)

 俺たちは壁に隠れる。

 先ほどの声で位置は割れている。あいつらは俺らが姿を表したら打つつもりだろう。


 そう位置は割れている。

「な!」

「水が!」

 壁を挟んでこちらは斜め上に向け、壁の向こう側の敵を狙い撃ちした。

 怯んだところを攻め上げる。


 壁から姿を半分見せ、相手を狙い撃ちする。

 だが相手も当然こちらに向け撃ってくる。

 だがこちらの奇襲もあってか、相手が今度は逆に壁に隠れる形となった。


 こちらは

設置型水鉄砲に近づいて主導権を奪う。

こちらも一旦下がる。

 この場合は2だ。

 設置型水鉄砲は使えると見せかけた罠だ。

 斜め上を狙えば壁の向こう側にいることがわかってさえいれば、隠れながら奇襲することができる。


 逆に位置が特定されれば、撃たれてしまう。

 一旦下がってみるのが吉だ。

 幸い、こちらのもう一つの武器が相手側に伝わっていない。KOYAMAで待機し作戦を練り直そう。

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