②サバゲという名の心理戦

相手陣営

「よーし、作戦タイムだ」

 これは相手の裏の裏の裏を掻いていく心理戦だ、会えば真正面からやりあうしかない。

 おそらく相手もこれくらいはわかっている。



 心理戦であると同時に広くない迷路を半分過ぎれば、相手に遭遇することがわかっているこの状況、

 短期速攻、足音を鳴らしながら速攻で決めるパターンと守りを固めて相手が来るのを待つパターン、息を殺しながら歩いて半分のところで決戦をするか。

「ジャンケンみたいですね」

「ええ、そのようです。」

 神もこのようにおっしゃっておる。

 ならば俺らはこの作戦でいくのはどうかと伝えてみる。

「ええ、それで大丈夫です。」



「作戦タイム終了です。それでは両陣営スタートしてください。」


主催サイド

 作戦タイムが終了し、中に入るとダンボールの壁が自分の少し上に見えるところまであるため、ジャンプをして多分肩車をしても相手がしゃがんでいたり、普通に歩く程度ならば見えないと言う絶妙な高さ。当然と言えば 当然だが上から俯瞰することはできないようだと感じた。


 観客にも盛り上がってもらいたいという思いから、モニターを設置した、サバゲ部長の小谷。


 モニターに映る映像は真ん中の上に配置した映像が送られている。

 観客にも盛り上がってもらいたいが、状況がプレイヤー側に伝わるとつまらなくなってしまう。決定的なことは伝わらないように看板などで「伝える行為は禁止」と観客側にも伝えているがそれとは別に、観客の熱狂が伝わりながら、決定的なことは伝わらないように観客の言葉をぼかすために扉と上扉、下扉に防音を取り付けた。


 この小さな教室でやるにはあまりにも難しいと思うが、それゆえに、制限があるゆえに面白さがある。

 本来の戦場は開けた土地、ということとは限らないのだ。

 密集、迷路、狭き道、サバゲーの極地は広さにあらずということだ。


 昨日と合わせて何度目かの戦い。

 いまだ最高の戦いを見ていない。

 俺たちを楽しませてくれるそんな戦いを待っている。

 今日一発目。見せてもらおうか。



あなた陣営。

 俺は……

 前進する

 相手を迎えうつ待機の姿勢をとる。

 俺は、前進することを決めた。

 今の目の前にあるものはざっとこんな感じだ。

 目の前には迷路というより、サバイバルをイメージしたかのような、小さい山を模した小型滑り台が置いてある。ここまで相手が来ることはほぼないと思うが、待機して相手がここに来るとなれば話は違う。十分にこの山から隠れて狙うことができるだろう。待機するのも一つの戦術だといえよう。



 だが、このようなオブジェクトが相手側の初期値にあるとは考えにくい、なぜならどちらも待機という戦術が取れてしまい、戦闘が進まないからだ。つまりこのオブジェクト名付けてOYAMAはこちら側の特権である。そうなると当然相手側にもこれに似たような特権がある。それが時間差で来るのか、はたまたある帝都進んだらあるのか、それはわからない。このゲームジャンケンじゃない。

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