第12話:貞操観念。
俺は会社が休みの時、マリアを連れて小野寺さんちにも時々お邪魔していた。
初めてお目にかかったアイラさんは、二重のマリアと違って一重まぶたの
どっちかって言うと、少し地味なタイプの美人さんだった。
髪は市松人形みたいなおかっぱで、なにより着物を着ていたのがよかった。
同じガイノイドってことでなのか、マリアはアイラさんと意気投合して、
すぐに仲良くなった。
アイラさんもマリアと同じでセクサロイド。
聞くところによると、アイラさんは研究のため、会社から提供して
もらってるんだそうだ。
小野寺さんも、いずれはアイラさんを買い取ろうと思っているらしい。
マリアはなにやら、俺は1分持たないだとか・・・アイラさんは
うちも同じ・・・とかって彼氏をネタにして盛り上がってた。
そんな恥ずかしいこと、よそで暴露してなにが楽しいんだ。
小野寺さんちからの帰り・・・マリアの洋服と下着を買って帰った。
もちろんブランド品なんか高くて買えないからスルー。
東松屋で激安の洋服に百均パンツ・・・それでもマリアは文句を言ったりしない。
どっちみちマリアはブランドには興味ないし・・・経済的にできてるのだ。
で家に帰って、お昼はマリア特製のペペロンチーノ。
硬さも、ほどよいアルデンテ・・・めちゃ美味かった。
「小野寺さんもアイラさんを買うつもりみたいだね」
「そうみたいですね・・・」
「俺も転職しようかって思ってるんだけど・・・親父が来いって言うからさ、
親父の会社に行こうかって思ってるんだ・・・」
「今より給料余分にくれるって言うし・・・」
「親父への返済は給料から天引きしてもらったらいいだろ?」
「そしたら払えなくて滞納することもないし・・・」
「ごめんね、私のために・・・」
「マリアは気にしなくていいからね・・・俺がいいと思ってやってるんだから」
「ねえ、シューちゃん・・・共働きってどう?」
「私もバイトに出るとか・・・・そしたら2人馬力でしょ?」
「え?・・・スーパーのレジとか、コンビニの店員とかするつもり」
「もっと効率のいいお仕事・・・」
「街を歩いてる、めっちゃスケベそ〜うなおじさん、捕まえるとか・・・」
「なにそれ?・・・捕まえるって・・・なに言ってんの?」
「私、セクサロイドだよ・・」
「おじさん相手ならシューちゃんより、まじ稼げるよ、私・・・」
「あのね、バカなこと言うんじゃないの・・・」
「ダメかな?」
「そんなのダメに決まってるだろ・・・」
「なんで自分の彼女がよそのおっさんとエッチするのにエールを送る彼氏が
いるんだよ・・・そんな心の広い男がいるなら会ってみたいわ」
「俺はヒモじゃないんだぞ・・・」
「ヤキモチ?焼いてる?」
「違うよ・・・貞操観念の問題だよ・・・」
「ていそうかんねん・・・って、なに?」
「マリアは金のために誰とでも寝るのか?・・・エッチできたら、それで
いいのか?」
「そんなことないけど・・・」
「少しでもシューちゃんの負担を少なくしようと思って・・・」
「シューちゃんの為なら私、平気だよ」
「俺は平気じゃないの!!・・絶対そんなことさせない・・・マリアは俺だけの
もの・・・」
「そんなこと言うんなら・・・こいつ〜」
「キャッ・・・シューちゃん・・・なにしてんの?、いきなり私を押し倒して・・・
もしかしてこのまま無理やりエッチするつもり」
「そうだよ・・・聞き分けのないこと言うから、折檻」
「そういうのって
「なんでよ・・・本気とか故意に襲ったりしてないだろ?」
「演出って言うかシュチュエーションって言うかさ・・・そういうんだよ」
「たまには、こう言う無理やり的なことも刺激があっていいだろ?」
「私がやめてって言っても?」
「嫌ならいいよ・・・やめる・・・悪かったよ、押し倒したりして」
「え?やめちゃうの?」
「ええ〜っ・・・どっちなんだよ・・・するのか?、やめるのか?」
「俺はどうすればいいんですか?、お嬢さん」
「無理やりって設定なんでしょ?」
「なんでも、やりかけで途中で放棄するのはよくないと思いますけど?」
「なんだって?・・・してほしいのか?」
「うん・・・してほしい・・・」
で、俺は頑張って2分もった。
でもマリアをイカせられるまでは、せめて5分・・・いや10分は持続しないと・・・まだまだだな・・・。
エッチが終わると味わうこのやりきった感と、まったり感はなんなんだろう?
「なあ、マリア・・・どこかへ行ってみたいって思ったことある?」
「行ってみたいところ?・・・」
「海・・・海を見に行ってみたい」
「え?一度も見たことないの?、海」
「うん・・・写真でしか見たことない」
「連れてってくれたオーナーさんもいなかったし・・・」
「そうか・・・海ね・・・行ってみるかふたりで・・・」
「明日も会社休みだし・・・行こうよ、海・・・」
「途中、バイク屋さんに寄ってバイクレンタルして、タンデムで海を
見にいこう・・・」
「たんでむ・・・ってなに?」
「俺がバイク運転して、マリアが俺の後ろに乗ってブイ〜ンってさ・・・
海を見に行くんだよ・・・」
「連れてってくれるの?海・・・」
「そうだよ・・・海水浴にはまだ早いけどな・・・」
かいすいよく・・・って・・・なに?
つづく。
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