第9話

「ばれちゃった、」


大好きな君の笑顔

大好きな君の泣き顔

大好きな君の声


私の目と耳に一瞬にして飛び込んで



一瞬で消えた



君はベランダから飛び降りた

助けに行こうとした

なのに、なんで、


身体が動かない

声が出ない

君の所に行きたい


何かが私の身体を必死に抑えていた


大好きな君の匂い

大好きな君の声、




「またね」




抑えられていた力が無くなって身体が動いた



「行かなきゃ、あの子1人じゃだめだよ、」



ベランダに手をかけて私も飛び降りた







ピ、ピ、ピ、


目が覚めると病院にいた


「分かりますか?」


「え、」


「近所の方から人が倒れてるって通報があって…ほんと生きててくれてよかったです」



「あ、あのもう1人女の子見ませんでしたか?」


「見てないですね」


「…そうですか」


「またなんかあったら呼んでください」


「…はい」




君、本当に天使だったの?

飛び降りてどこに行っちゃったの?


君に会いたい



会いたいよ




















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る