第6話

「ちょっとしみるよ」


消毒液なんかあるはずもないから

タオルを水に付けて ぽんぽん って

顔と体、全部拭いて包帯をして絆創膏を貼った


病んでた時、リスカしてたから包帯はまだ家に

山ほどあった


私の服を着せてあげた

ちょっと大きかった


「おしまい」


「…ありがとう、」

「うん」


「ん、」

「おいで」



私の体に ぴとってくっ付いてきた

腕の中に収まっちゃうくらいの女の子を

ぎゅー ってずっとずっと抱きしめた



「眠いね」



首を縦に コク ってしてくれたから

すごく軽い君を赤ちゃんみたいに抱っこして

ベッドに連れていった


「あ、ちょっとまってて」



窓を閉めてカーテンも閉めて

久しぶりに冷房をつけた



「あー涼しい」


ちょっと物足りなそうな顔してたからつい、



「とんとんしてあげよかっか」


コク

これはしてほしいの合図!よかった、



ぎゅってして背中とんとんして

ほんと赤ちゃんみたい






「おやすみ」















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