第23話
目が覚めた時には既にお昼を過ぎていた。
昨夜ダンジョンを探索したので、朝のダンジョン散歩ができなかったことは問題ないのだが、そろそろ動画編集を始めないと、今日の動画投稿に間に合わなくなってしまう。
別にいつもよりも遅い時間に投稿すればいいだけの話なのだが、毎日同じ時間に投稿するという目標と期限がなければ、私はどこまでもだらけてしまうダメ人間なのだ。
自覚のあるダメ人間が、どうしようもないダメ人間にグレードダウンしないように、できれば今日も、いつもと同じ時間に間に合うように動画を投稿しておきたい。
というわけで動画編集を開始する。
「今日までドゲザーの動画を投稿して、明日は人気の無料FPSの動画でも投稿しようかな? あ、ファンタジーなノートパソコンでもゲームと録画ができるのか試してないな……。 窓のOSが問題なく入っちゃったから多分ゲームは問題ないと思うけど……パソコンのスペックが分からないから実際に試すしかないのがな~。 このパソコンよりスペック良さそうな感じではあるのだけど……」
タスクマネージャーを見ると一応パフォーマンスは出るのだが、どれも性能は表示されていないし、使用率は0%で張り付いていた。
GPUの表示はなかったので映像出力はCPUで行っていると思うのだが、画面の鮮明さとヌルヌル感は、今使っている古いデスクトップパソコンよりも性能が高いように感じた。
まぁダンジョンで手に入れたものなので、時代を先取りした化け物スペックのノートパソコンである可能性は高いと思う。
編集が終わったら、実際にゲームで使えるのか確認してみよう。
そんな訳で、4時間ほど動画の編集を行った。
あとはエンコードして、最終確認をすれば、動画を投稿するだけだ。
「さて、これで大丈夫かな? ……最近どんどん動画の編集が早く終わる様になってきた気がする。 もう動画編集にだいぶ慣れてきたからか、ダンジョンで探索するようになってから、なにか自覚していない変化でもあるのかな? 最近ほとんどタイプミスをしなくなったような気もするし……」
動画に字幕を付けるのは結構面倒な作業なので、私のリアクションを強調したいときや大事なことを言ったときくらいしか編集で字幕は付けていない。
それでも動画を作る際に、入力する文字数は非常に多い。
ゲームしながら出来るだけ話すようにしているし、後付けで声を入れることも多いからだ。
それなのに最近、タイプミスをした記憶がほとんどなければ、文字変換をミスることもないし、編集した動画を気に入らないからと後からやり直した記憶もない。
恐らくこれが、どんどん動画の編集時間が短くなっている理由だと思うのだが……これはもしかすると、レベルが上がっていることと何か関係があるのだろうか?
「まぁ、考えて分かることじゃないだろうし、とりあえずゲームでもしようかな」
というわけで、まずはゲームや録画ソフトをインストールして、いろいろと設定を変更する。
そしてゲームを起動し、まずは射撃訓練場に入る。
「問題なく起動したな……うん、録画もちゃんとできてるっぽい。 うわぁ……マジで画面ヌルヌルだ。 フレームレートがゲーム側の上限っぽい600fpsで張り付いてるし……画質は……3840の2160……4Kじゃん! 4Kで600fpsに張り付いてるの!? ちょっとヤバすぎるんだけど……。 最近4K360Hzのモニターが発売されて話題になってたけど、このノートパソコン、モニターのリフレッシュレートはどうなってるんだろう?」
ディスプレイの詳細設定を確認してみたが、どうやらOSでは認識できていないようで、解像度もリフレッシュレートも空白になっていた。
ただまぁ、少なくとも4Kの解像度はあるのだろう。
そんなことを考えながら、とりあえず軽くキャラを操作して、画面のカクつきが起きないか確認していくのだが……。
「これヤバいな。 リココンとかめちゃくちゃ簡単じゃん。 フレンドさんとかは144Hzあれば十分とか言ってたけど、これ明らかに命中率上がるんじゃね?」
私の使っているパソコンは、中古で安く手に入れたパーツを集めて組んだもの。
モニターも当然中古。
フルHD144Hz動作確認済みドット抜けなしの物が、ネットで送料無料の3,000円だった。
ゲームの画質にこだわりはなかったしめちゃくちゃ重いゲームを遊ぶこともなかったので、今までスペックに不満を感じることはほとんどなかったのだが……こんなパソコンでゲームをすると、元のパソコンでは遊べない体になってしまいそうだ。
「これはもうスマホみたいにパソコンもこっちをメインにして、古い方は売っちゃおうかな? でもデータを全部こっちに移すのも面倒だし……そもそもそっちは全部のパーツが中古の寄せ集めだし、売るとしても高くでは売れないだろうな〜。 パソコンは売らずにこっちをメインPCとして使っていくことにしようかな」
そんなことを言いながらキャラクターを操作し、訓練場の的を狙い、銃を撃つのだった。
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