第17話
アダプターとマガジン2つにBBローダーで、お会計は5,000円になった。
そしてあのリサイクルショップ、展示品以外のエアガンとガスガンは、ほとんどが新品なのだそうだ。
20年この街で生きてきて全く知らなかったのだが、この辺りにはサバゲー愛好家が多く、サバゲーを遊ぶフィールドも結構近くにあるらしい。
そんな愛好家たちが利用するのが、あのリサイクルショップだそうだ。
……まぁ、私はサバゲーには興味ないけど。
家に帰宅し、まずはサプレッサーの仕組みについてネットで調べる。
以前はどちらかというと、サプレッサーを取り付ける方法について調べていたので、音が小さくなる原理などは詳しく調べていなかったのだ。
当然のことながら、魔法で弾を射出する銃にサプレッサーを付けた場合、いったいどれだけの効果があるのかについては、ネットのどこにも書かれていなかった。
ただ、恐らく魔法銃の場合、音のほぼ全てはソニックブームによって発生していると思われる。
だが、サプレッサーが抑制するのは火薬の爆発によって発生する音だ。
一応サプレッサーによって、弾の飛ぶ速度を亜音速にまで遅くすることで、ソニックブームによる爆音が発生しなくなる場合もあるらしいが……。
「つまりこれって、魔法銃の場合サプレッサーをつけてもほぼ意味がないのでは?」
……店員さんはなにも悪くない。
その証拠に、マガジンは問題なく使用できた。
予備マガジンが3つもあるなんて、ゴブリンの群れだって相手にできちゃうね!
BB弾ローダーだって、BB弾ではなくスチールボールなのに、全く問題はなかったのだ。
つまり事前にガッツリ調べなかった私が悪い。
「まぁ、いいか。 店に置いてあった1万5千円のサプレッサーを買ったわけじゃないし……流石に無駄遣いだよなぁ~……。 マジで買い物するときは気を付けないと」
とりあえず、現実逃避のためにこの前のドゲザーの動画を編集し、ある程度進んだところで寝ることにした。
「いやほんとこれ便利だな。 1発1発指で弾込めてたのが馬鹿らしくなるレベルで簡単に弾詰め終わるじゃん。 これは店員さんに感謝だわ」
そんなわけで翌日、マガジン3つに弾を詰め、準備が完了したのでダンジョン探索に出発する。
靴は今まで使っていたやつをダンジョン専用として、壊れるまで使うつもりだ。
「あれ? 通路は変わってないけど、ゴブリン復活してるのかな?」
ダンジョン内を歩くと、昨日既に通ったはずの通路の、昨日はモンスターと遭遇しなかった場所で、3匹のゴブリンと遭遇した。
私が探索した通路よりも奥にいたゴブリンが移動してきたのなら特に問題ないが……いや、それはそれで地上に出てくるかもしれないから大問題か。
とりあえず、以前は全く復活しなかったが、今回のダンジョンはゴブリンが毎日復活する可能性があることも考えて、慎重に探索した方がいいだろう。
少なくとも前のダンジョンのように、ダンジョン内を走り回って探索するような真似は、やめておいた方が良さそうだ。
昨日2時間も探索に時間がかかったように、今回のダンジョンは非常に複雑になっていて、昨日探索を辞めたところへと戻るだけでも地味に時間がかかる。
今はまだ問題ないが、この先もダンジョンがどんどん大きくなっていくのなら、そのうち泊まり込みでのダンジョン探索が必要になるのかもしれない。
今のところ、どれくらいの時間ダンジョン探索を行うかは、その日の気分で決めている。
だが、気分で行動し続けると碌なことにならない気もするので、銃に装填してあるマガジンと、予備のマガジン1つを使い切ったら、撤退する様にした方がいいのかもしれない。
ダンジョン内で弾を補充すればいいだけの話ではあるのだが、マガジン2つ分の弾を撃ち切るころには普通に結構な時間が経過してると思うので、止め時としてはそのくらいでいいのではないかと思う。
「お、やっと宝箱見つけた。 けどまた茶色か。 なにがで~るかな~?」
出てきたのは板の様な非常に見覚えのある物体。
パカッと開きそうな感じで、サイドにUSB差し込み口の様な物もあり、私は持っていないが家電量販店に行けば普通に売っていそうな見た目だ。
開いてみると、片方には意外と大きな画面があり、もう片方には普通に見覚えのある文字が書かれたボタンが並んでいる。
「……どこからどう見てもノートパソコンだよね? やっぱりこのダンジョン、この世界の物を取り込んで魔改造しちゃってるよね? ……これは魔改造されたファンタジーなノートパソコンなのか、エラーコインみたいに高値で売ることを目的としたアイテムなのか……いざ鑑定!」
というわけで『カメラ』を起動し確認する。
『ノートパソコン型迷宮端末連携機器』という長い名前の表示が出たので、どうやらファンタジーなノートパソコンだったようだ。
そして、スマホの画面に『この機器と連携しますか?』との表示が出た。
ファンタジーなノートパソコンを売るつもりはないので、『はい』の表示をタップする。
すると、『電源を入れてください』という表示が……。
電源ボタンっぽいところを押してみるが、バッテリーが残っていないようで、電源は入らなかった。
「スマホもそうだけどさ……ファンタジーなアイテムなら動力もファンタジーな物にしてよ! なんで拾っても充電しないと使えないんだよ! おかしいだろ! おかしくないけど! 30%くらいでいいから電池残しておいてよ!」
そんなことを叫びながらもとりあえず、ゲットしたノートパソコンの性能が気になるので、ダンジョン探索は切り上げることにして家に戻った。
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