超絶可愛くなった幼馴染たち
第4話
勇司が自宅に入って数十分後。
お風呂を溜めつつ、軽く荷解きをしていると呼び鈴が鳴った。
おそらくルナが来た。
勇司は荷解きをしていた手を止めて玄関に向かう。
「今開ける」
玄関の扉を開けるとそこには三人の美少女が立っていた。
一人はさっきまで会っていたルナ。
残りの二人は……。
「もしかして、夢子と雫か……?」
「勇司君なんだよね……?」
大粒の涙を目に浮かべているブロンドのストレートヘア、清楚系の服装の美少女。
三人の中で勇司のことを『勇司君」と呼ぶのは
つまり残った一人。
夢子の隣で同じく目に大粒の涙を浮かべている銀髪のハーフアップ、ふわふわ系の服装の美少女が
「二人とも久しぶり」
「勇君!」
「勇司君!」
二人が勇司に勢いよく抱き着いた。
勇司は二人のことをしっかりと受け止めた。
「久しぶりだね! 会いたかったよ!」
「私も勇君に会いたかった」
「俺もだよ。二人に会いたかった。元気だったか?」
「元気だった」
「元気だったよ。勇司君も元気だった?」
「元気だったよ」
「そっか。おかえり。勇司君」
「おかえり」
「ただいま」
服を着替えておいてよかった。
二人のことをしっかりと抱きしめられる。
勇司は夢子と雫のことをしっかりと抱きしめた。
「ねぇ、私だけ仲間外れなんだけど!」
ルナが拗ねたように頬を膨らませた。
「私も混ぜてよ!」
そう言ってルナも勇司に抱き着いた。
こうして三人で抱き合っていると三年前の別れの日のことを思い出す。
『大人になったら絶対にまた会おうね』
そう言ったのは夢子だった。
そんな夢子の発言に三人は大泣きしながら頷いた。
もちろん夢子も泣いていた。
あの時はただただ悲しかった。三人と離れ離れになるのが嫌だった。
そのくらい勇司は三人のことを大事に思っていたし、好きだった。
三人が勇司のことを助けてくれたように、もしこの先、三人に危機が訪れた時にはこの身を挺してでも絶対に守り抜く。一生守り抜く。
「それにしてもこんなに早く、こうしてまた四人で会える日が来るなんて夢のようだね」
勇司から少し離れた夢子が微笑んで言った。
「夢子だけに?」
「ルナちゃんうるさい!」
夢子がルナのことを睨みつける。
「夢子がこわい~」
「怖くないです。ルナちゃんがくだないこと言うからでしょ」
「今のはルナが悪い」
雫の援護が入り二対一の構図になった。
「せっかくの感動の再会に水を差さないで」
「それはそう」
「うぅ……ごめん」
しょぼんと申し訳なさそうに下を向いたルナ。
「分かればよろしい」
あの頃もお調子者のルナを止める役目を担っていたのが夢子だった。
雫は夢子側についたり、ルナ側についたりといつも中立だった。
(懐かしいな)
容姿はすっかりと変わった三人だが、中身はあの頃のままのようだ。
そんな三人のやり取りを見て勇司は懐かしくなり、安心した。
「二人も変わらないな。可愛くはなったけど、昔のままで安心した」
「可愛くなったかな?」
「あぁ、可愛いよ」
勇司に褒められた夢子は頬を赤くして恥ずかしそうに「ありがとう」と言った。
「勇司君と再会した時に可愛いって思ってもらうために頑張ったから嬉しいな」
そして夢子は屈託のない笑顔を浮かべた。
夢子の笑顔はいつ見てもキラキラと輝いている。
本当に素敵な笑顔だ。
「勇君。私も可愛い?」
今だに勇司に抱き着いたままの雫が上目遣いで聞いてきた。
雫は子供の頃から甘えん坊で、昔も勇司にべったりとくっついていた。
「雫も可愛いよ」
そう言って勇司は雫の頭を撫でた。
「嬉しい」
雫は頬を綻ばせて勇司の胸に頭をぐりぐりと押し付けた。
嬉しがっている証拠だ。
「とりあえず、中に入るか?」
勇司がそう言うと三人は頷いた。
「荷解きが全然終わってなくて汚くて悪いけどな」
三人をリビングに案内した。
☆☆☆
タイトル間違ってましたすみません😂
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