モンスターショップのモンスター
仲仁へび(旧:離久)
第1話
「パパ、今度のお誕生日はあの子がいいわ!」
「分かったよ。今、店員に言って予約してこよう」
半透明でぷるぷるなスライム。
見た目が涼やかで癒し系。
視線の先のガラスケースの中には、何匹ものスライムがいた。
そんな彼らスライムモンスターは、昔は冒険者に討伐される運命にあったが……。
しかし時代は変わった。
人間は無害なモンスターとは、共存関係を結ぶ事を選んだからだ。
数百年前に現れた、モンスターに育てられた冒険者の働きによって。
そこには聞くも涙、語るも涙のストーリーがあるのだが、今は省略。
その時から人間たちは、少しずつ共存の道を模索していき、モンスターを普通の動物と同じように飼育するようになったり、ペットにするようになった。
いま、目の前にあるスライムもその中の一匹である。
「予約してきたぞ。これでもう、他の誰かがあの子を連れて帰ることはないだろう」
「やったあ、パパありがとう!」
予約が決まったスライムは、心なしかうれしそうに見えた。
しかしその隣の、値段の低い売れ残りのスライムは、なんとなく元気なさそうに見える。
可哀想だが、人気のないものの末路は、モンスターも動物も変わらない。
ちょっと高級なご飯が食べれるほどまでの値段が下がった、あのスライムは、もう先が長くはないだろう……。
やがて後の未来。
無理な飼育と繁殖で一部の無害なモンスターが人間に敵対するようになる。
共存関係のいくつかが終わってしまう事を、この時代の者達は誰も知らない。
モンスターショップのモンスター 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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